2020運用記
扇山 (春オン)
山梨県大月市



[大久保のコル]




百蔵山の近く???

「扇山って、確か中央高速走っていると、右側に見える山ですよね・・・百蔵山(ももくらやま)の近くの・・・」
QSO相手の、とうきょうMS25局さんが、そう言われる。
「そうです、その通りです。東京側から走ってくると百蔵山の右手前に見える山です。」(当局)

扇山(山梨県大月市)は、2015年のGW一斉OADで運用した権現山と並んで、この辺りでは人気のある山だ。JR中央線の駅からも歩いて登ってこられる。東京方面からもアクセスがよいので、山梨の人たちでなく、東京方面のハイカーにも人気があるのだ。しかし、MS25局さんは隣の百蔵山までご存じのようだ。なかなか、百蔵山の名前まですぐに出てくる人はいないと思うのだが・・・(笑。

山頂は広く、200~300人いても大丈夫。広さは100人乗っても大丈夫な「イナバ物置」の比ではないので当然だ(笑。山頂はこのあたりの山ではお決まりの、富士山方向の木々が切り取られ?、富士山もバッチリとみえる。標高は1,138mしかないのだが、近くに富士山との間を遮る山がないので、見え方はなかなかのものだ。さすがに大月市秀麗富嶽十二景に指定されているだけある。

快晴、真っ青な空、・・・。ただ木々だけが騒々しい。風が強く、絶え間なくゴーと山頂近辺の木々を鳴らしている。今日のメインリグはSR-01、大丈夫か?SR-01はアンテナに弱点があるので、少々心配だが丸太のベンチにセッティングしてみる。ただなぜか、木々はあれだけゴーゴーと唸っているのに、これだけだだっ広い山頂には余り風が吹き込んでは来ない。どうもこの強風は下から巻き上がってくる風のようだ。

 
左、中): 朝の山頂
右: SR-01、今日はダイカスト仕様のフロントガードハンドルで攻めてみる(笑。
 


静かな、朝のOAD


風が冷たい。手袋は、いつもの指先が自由に利く無線用の手袋だ。ダウンを着込んでさっそくCQを飛ばしてみる。7:55分、一発目は、筑波山中腹に展開されている、つくばAM680局だ。RSは57/57、今のところ海外ノイズも上がっておらず、信号も強力だ。バックグランドには感じられないが、あちらも風が相当吹き荒れているようで、風から逃げるようにQRVされているらしい。

QSOが終わったところで、ふたたびAM680局からお声がかかる。しかし今度はなぜか信号が急にこじんまりとしている。

「今度はNTS111からです、どんなもんですか~?」
「RSは、54.5、メーター読みで2.5落ちますが、まったく問題ないですね~。」
こちらから向こうには、54らしい。AM680局が続けられる。
「ハンディ機なので飛びは仕方ないですね、でもサイズの割には感度がいいんですよね、このリグ。」

確かに当局もそう思う。NTS111は使ったことはないが、Esでこちらの電波を受けて飛ばしてこられる局長さんの信号をきいていると、そんな感じだ。Esでも結構NTS111で平気で呼んでこられる局長さんは多い。聞こえない信号には応答できないので、こちらの信号はしっかり受信できているということだ。受信の方は、よくできたポータブル機に少し落ちる程度だけと思われる。耳がいいということは、無線機では送信出力よりも重要な要素だ。あのボディサイズとアンテナの長さからすれば、立派な性能だ。

ときどきチャンネルをガチャガチャと回してみるが、オンエア局は全くない(笑。OADの割には異様に静かなチャンネル内だ。CQにも応答がほとんど全くない。まあ、祝日とは言えウイークデイなので、春オンはいつもこんなものかもしれない。一方でひょっとしてロケの飛び受けが想定より悪いのではないかという疑念も少しだけ(笑)湧いてくる。もともと標高の低さ(1,138m)は覚悟で来ているのだが、全くこの猜疑心だけはどうにもならない。(笑。

そんな山頂なのだが、横浜の中心部は良く見えている。少なくともあっち方面には飛び受けは良いはずだ。こんな「やまなし」の、山しかない場所から、なぜ横浜の街が?、と思うのだが、地図を頭の中に想起してみると確かに横浜方向には山が谷状に開けており、相模原を突き進んでいって平野になった先には横浜があるといったイメージがすぐに浮かんでくる。実際、横浜どころかその先には東京湾、さらにその先には房総半島まで見えている。
 朝いちは、シルエット状に浮かんでいた横浜の街並みは(左写真)、時間がたつと輪郭を露わにしだす(右写真)。
ランドマークタワー、ベイブリッジ、東京湾の向こうに房総半島が見える。
ランドマークタワーまで約60Km 。
   
飛び受けが「想定通り」、という意味では、やはり奥多摩、奥武蔵方面にはかなり厳しくなる。奥多摩方面には笹尾根が、奥武蔵方面には、さらに奥多摩の山々自体が、伝搬ルート的には覆いかぶさってくる。堂平では、さいたまUG100局が運用されており、41~51程度でこちらに入感してくる。何度も呼びかけてみるが、向こうには届かない。仮に届いていたとしても、堂平ということもあり、半ばパイルになっている状況では、弱い信号には気づかないはずだ。飛び受けでは天下一品の雲取山には、とうきょうSS44局が運用されているようで、7エリアのニイガタAA462局と交信しているのが聞こえてくる。さすがに雲取山頂は見通しだと思うのだが、それでも52程度だ。

下界もやはりかなり強風のようで、久しぶりのカワサキCH101局も時々車に退避しながらの運用らしい。こちらも山頂に徐々に強風が少しずつ回り込み始めてきた。風さえなければ、実に爽快な運用なのだが・・・。気持ちの良い快晴でも、風は影形ない。強風などお構いなしに、富士は相変わらずクールな姿を、後から登ってきたハイカーのすべてにサービスしている。








本当の50mW

2月の鎌倉運用でも、こうして富士山を眺めていた。特に鎌倉山神社の近くからは、富士の下の方までよく見えていた。その鎌倉山神社には、静岡県伊豆半島の仁科峠から、かながわYS41局が50mWで飛ばしてこられていたのである。今回も何気に5Chをワッチしていると、YS41局のCQが聞こえてくる。果たして、今日も仁科峠におられるらしい。

RSは41/52。使っているリグが気になる。最後に「今日は500mWですか、50mWですか?」と問いかけた質問に答えが返ってくる。
「50mW、リグはRJ-60ですよ~」

ブラックバードなどの、スーパー変調の50mWとは違って、こちらは正真正銘の50mWだ(笑。それにしてもあの簡易なリグで、よく52で受信できるものである。RJ-60といえば、6石程度だろうか???。高周波増幅などないはずだ。そういえば、今日も、とうきょうSS44局は雲取山に登っておられるようなので、この2局のポジションに限っては鎌倉運用の時と全く一緒だ!・・・・と、一瞬思いきや、2月のSS44局さんは日陰名栗峰だった。

 
朝の出だしのうちは、周りが強風とは言え、山頂広場ではなぜか気にならないくらい程度の風だったのだが、時間が経つにつれ完全に山頂広場を横方向に、そして巻くように吹き始めてきた。SR-01のアンテナの弱点は、アンテナ基部のかしめ部だ。長いアンテナを支えるには、かしめ部のオーバーラップする面積が小さすぎる。風が継続的に吹いて揺らされている状態では、常にストレスがかかり続けるので、最もよくない状況だ。途中からは立ったまま、時々アンテナを手で保持しながらの運用だ(笑。

時間が経つにつれ回り込んできたのは強い風ばかりだけではない。1~3Chの低チャンネル側では、チュークワ系の海外局が強力にかぶりだしてきた。所沢のサイタマKM117局ともつながるが、S5程度で完全に海外局にマスクされてしまう。KM117局は今日は平地におられるようだ(笑。3Chでは、富士山二合目のしずおかDD23局ともつながるが、かなりノイジーだ。

百蔵山までご存知の、冒頭のとうきょうMS25局さんの今日のリグはJCBT-17Aだ。変調音はどことなく、同じサイエンテックス社製のSR-01に似ている。巷では3月16日に技適を取得した西無線研究所のNTS115がそろそろ出回り始めるころだが、どうも春オンには間に合わなかったようで、使われている局長さんはいない。


てかり出した富士

南中を過ぎると、快晴の日差しを浴びて、富士の雪化粧した山肌がてかり始める。おそらく雪面の表層は雪氷状態なのだろう。山肌からガス状に立ち上がる小さな雲を見ていると、その雪氷の上を、到底耐えられそうもない強風が吹き荒れているようにも思える。快晴の下、外からは何事もなく美しくは見えているが、雪面上はすさまじい世界になっているのではないかと、遠くから想像させる。はたから眺めている分にはいいが、過酷な美しさなのかもしれない。


そろそろ下山の時刻だ。片付けを終え、いつものように最後まで残しておいた87Rで、文字通り最後のワッチにはいってみる。使われている一つ、二つのチャンネルではすでに、OADのQSOというより、通常のロングQSOに変わりつつある。そんななか、パイルがひと段落した、かながわZX9局のCQが響いている。ZX9局は、伊豆半島天城山万三郎岳というFBなロケに展開されおり、午前中は結構なパイルになっていた。最後にお声がけすると、向こうには54で届いているようだ。


一日の青空に感謝して、下山開始だ。

34QSO、各局TNX!! 

(´20/3/28)






運用データ


 ■運用日時・運用場所:

 
  ・2020年3月20日(祝、金) 7:53~13:10 
     山梨県大月市扇山 山頂(標高1,138m)
    

 ■使用&装備リグ:
   CB : SR-01(サイエンテックス)
        ICB-87R(SONY)
 
 ■使用電源
   リチウムイオンポリマー電池11.1V/3.0Ah、乾電池
   




QSO局
34QSO TNX!!  
(敬称略)

2020年3月20日(祝、金) 7:53~13:10 快晴  
つくばAM680/茨城県筑波山中腹 57/57 つくばAM680/茨城県筑波山中腹(his NTS111) 54/54
ヨコハマAE869/神奈川県横浜市瑞穂町 52/52 かながわYS41/静岡県西伊豆町仁科峠(his 50mW) 41/52
ふくおか8774/東京都荒川区荒川河川敷 51/51 ちゅうおうM88/東京都中央区佃大橋 54/53
チバTS106/千葉県 52/52 ヨコハマLS45/神奈川県横浜市旭区 54/54
カワサキCH101/神奈川県横浜市都筑区 55/54  ヨコハマAD286/神奈川県横浜市鶴見区大黒ふ頭 51/51
カナガワSC99/神奈川県川崎市麻生区  56/57  ヨコハマHN510/神奈川県横浜市緑区  56/56 
チバKF728/千葉県富津市富津みなと公園  55/56  トウキョウHR129/神奈川県相模原市城山湖  57/56 
イバラキSO47/茨城県筑波山男体山  56/55  ヨコハマKR251/横浜市港南区さえずりの丘公園  53/53 
よこはまMC93/神奈川県川崎市  51/51  オオタAA232/神奈川県川崎市東扇島海釣り公園  52/56 
ヨコハマAA815/神奈川県厚木市白山  53/55  チバKJ130/千葉県君津市大塚山  53/51 
しずおかDD23/静岡県富士市富士山二合目  53/53  ちばMR21/千葉県千葉市美浜区稲毛海浜公園  56/56 
トウキョウTK205/東京都多摩市  56/56  とうきょうMS25/東京都立川市昭和記念公園  55/56 
ヨコハマJA298/神奈川県横浜市保土ヶ谷区  55/55  ヤマナシFK909/東京都桧原村浅間尾根駐車場  54/55 
いばらきVX7/茨城県筑波山子授け地蔵  56/57  ヨコハマAB158/神奈川県葉山町  55/56 
サイタマHR129/茨城県筑波山  54/53  サイタマMS118/埼玉県日高市高崎山  54/55 
ふなばしHK06/神奈川県鎌倉市六国見山  56/55  サイタマKM117/埼玉県所沢市  53/52 
セタガヤAY240/神奈川県箱根駒ケ岳  55/57  かながわZX9/静岡県天城山万三郎岳  53/54 





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