2020運用記
鎌倉
神奈川県鎌倉市



[天空のカフェ]




NASA7208DX

毎年恒例の鎌倉運用。しずおかDD23局さんから、NASA7208DXの技適合格の連絡があったのが昨年の2月5日、ちょうど一年前だ。あの時は、その週末がちょうど恒例の鎌倉運用の時で、さっそく源氏山で、7208DXを試験運用中のDD23局の変調を確かめられ・・・・なかったものの、電離層で交信される側の、ヤマグチAA123局さん等の興奮したQSOが当局の87Rにも飛び込んできていた

  15ページに渡る特設記事
あれから早一年、CQ出版社2020年2月1日発行「RFワールド」(「トランジスタ技術」増刊第49号)では、DD23局さん執筆による7208DXの製作記の記事が掲載された。当局もさっそく拝読したが、ノイズブランカを2段搭載、ALCに頼らないスプリアス対策など、アイデアの集積が、試験データなどともに余すところなく?伝えられている。(本人はもっと語りたかったのかもしれませんが・・・(笑。)オリジナルのNASA機がPLL機でないだけに、市民ラジオの8Ch向け水晶の組み合わせとその回路設計・実装などにも苦心された様子がうかがわれる。

それらの回路設計ももちろんすごいのだが、当局としては、一番すごいなぁ、かつ、うらやましいなぁと思ったのは、アンテナチューナー付きで技適を通されていることだ。つまり、運用ごとに、SWRを1.0まで追い込むことが可能なのである。(ということは、もちろん、リグのメーターでSWRが計測可能ということである。)

我々の運用場所は、車のルーフの上であったり、アウトドアのアルミのテーブルの上であったり、地面であったり、アンテナからみた運用環境は様々だ。その都度アンテナに与えられるLC環境は異なる。7208DXの場合、それをその都度、最良の飛び受け環境に改善できるのである。いうまでもなく、CB機は、備え付けの2m以内のアンテナで外部アンテナ不可なので、それをさまざまな環境下でもSWR1.0まで追い込めるということは、従来のCB機の概念からすると、実はもの凄くすごいことだ。もちろんマニュアルチューニングだが、最近の市販CB機のように、『ローディングコイルつけたからいいでしょ!、すごいでしょ!』、と胸を張っているのとは全然次元が違う。そもそもCB機を、アンテナチューナー付きで技適を通そうなどとは、だれも思わないはずだ。それでも、記事中のDD23局のコメント、「SWR最小ポイントで、受け側電界強度が最高にならずに微妙にずれている場合がある」というのは、ある意味リグづくりの奥深さを感じさせる。こうしたことは実際に現場で製作を重ねたものだけが、語れる言葉だ。






[ふくよかに踊る海。広町緑地公園より。向こうに大島が見える。]




9年目は・・・・?

源氏山からさらに一年がたち、鎌倉運用も連続9年目に突入だ。しかし、そろそろ運用に適した高い場所がなくなってきた(笑。というより、高くて、景色もよく、QRVしていて面白そうな場所がなくなってきた、・・・ということだろうか。もっとも、「高い」といっても鎌倉の場合、せいぜい標高100m程度の世界の話ではある。

ということで、今回は、残された「高め」の場所を一気に走破してみようという企画だ(笑。具体的には、今回は西鎌倉側を攻めることにして、広町緑地公園から、鎌倉山、峯山、桔梗山を抜けて、佐助稲荷神社、そして最後に天空のカフェテラス、「樹」(いつき)でお茶して帰ろうという魂胆だ。例年鎌倉運用時のカフェは、浄明寺地区にある「石窯ガーデンテラス」だが、今年は西鎌倉なのでそうはいかない。

広町緑地公園富士山眺望ポイントより。
下:大山・丹沢山塊方面。
  丘の上を走る構築物は湘南モノレール
  の軌道だ。
まずは、湘南モノレール西鎌倉駅から広町緑地公園に向かってみる。当局の子供がまだ小さかった頃、わざわざこのモノレールに乗せに来たものだ。当時は横浜に住んでいた。大船から江の島までこの湘南モノレール、江の島から鎌倉まで江ノ電に乗り、鎌倉から横浜方面に戻るというのがそのコースだった。そして途中で「江ノ電サブレ」を買って帰るのである(笑。

懸垂式のモノレールや、鎌倉の街の軒先を抜けていくかわいらしい江ノ電の電車は、男の子にとっては格好の興味の対象だった。夏に子供を連れて江の島近辺を歩いていると、そこかしこの海の家から声をかけられたのが思い出される。「単に電車に乗せに来ているだけですが・・・」とは、心の中でつぶやいただけだ。


まずは広町緑地公園

広町緑地公園は、北は腰越のあたりから、南は七里ガ浜方面、東は鎌倉山地区まで広がる森林公園だ。里山もあれば、いかにも鎌倉らしい、ある意味ジャングル的な森林が、大きなアップダウンとともに広がる。尾根伝いとなる周回路上には、富士山や、相模湾の眺望ポイントがいくつかある。

さっそく富士山が「垣間見える」(笑、富士山の「眺望ポイント」からQRVだ。といってもここの標高は50mにも満たないはず。どれだけ鎌倉近辺からの波が飛んでくるかは疑問だ。

しかし、しばらくワッチしていると、はちおうじX25局の信号がFBに入感してくる。今日も小仏城山(八王子市)におられるらしい。佃大橋?(中央区)のちゅうおうM88局をコールされている。QSOに入られたようだが、M88局の信号は全く聞こえてこない。この高さでは無理もない。鎌倉の背骨「鎌倉アルプス」のハイキングコースなどにいれば、東京湾沿いの信号も51~52程度で聞こえてくるのだが、やはりロケ的には少々無理があるようだ。

今日は晴れ上がっているせいか、富士山がよく見える。特に大山・丹沢の山塊は距離がない分ビビッドに見える。少し雪化粧しているのだろうか、山頂近辺は白く彩りが添えられているようだ。

海側に当たる熱海市の滝知山からは、はままつHX41局も入感してくるが、やはり全周方向からの入感を狙うにはもう少し高さを稼ぐ必要がありそうだ。30分ほど富士山の景色を楽しんで、今度は鎌倉山地区に進出してみる。


鎌倉山へ

鎌倉山は、もともとは文字通り山という捉え方だったのだろうが、地図上に「鎌倉山」という「山」は存在しない。今では地名として親しまれている。広町緑地を出て鎌倉山へと登っていく。七里ガ浜の向こうに相模湾を見下ろす坂の途中には、別荘風のしゃれたデザインの豪邸が立ち並ぶ。高台からこうして毎日、海を遠望しながら暮らせるというのは羨ましい限りだ。

鎌倉山でのQRVポイントは鎌倉山神社だ。猫の額ほどの、小さな祠がある神社だ。ここで標高は110m程度、高さ的には広町緑地よりはかなりましだが、いかんせんここは北側に崖のような壁が立ちはだかっており、北向けには全く開けていない。それでも電波は飛んでくるものだ。祠にお参りして、ベンチに腰かけていると、87RにかながわYS41局の信号がクリアに入感してくる。ラッキーなことにちょうど開けている伊豆半島側からの入感だ。神の御利益か???

なぜかチャンネルは、なにげに5Chだ。

 鎌倉山地区からの風景。
 右写真:今日は伊豆半島もよく
 見える。
 右手前に見えるのは、江の島。
 鎌倉山神社


YS41局は西伊豆町の仁科峠からのQRVだ。峠なので高い場所にはあるのだが、仁科峠はどちらかというと伊豆半島でも駿河湾寄りのロケだ。よく飛んできているなぁと、感心しながら普通に交信を楽しんでいると、なんと50mW機であることが判明する。それで5Ch の意味合いがよく分かった(笑。そういえば、YS41局といえば、3、4年前の春オンでも50mW機でバンバンQSOされていたのを思い出した。

とうきょうSS44局さんは、さすがに山岳CBer、こんな冬の日でも山頂からお声が聞こえてくる。今日は(この時間は?)日陰名栗峰に登られているらしい。この神社は奥多摩向けには全く開けていないのだが、それでもこちらからは53で飛んでいるらしい。


峯山、桔梗山

鎌倉山もQRV時間1時間程度、続いては、峯山、桔梗山に展開だ。峯山、桔梗山といって、すぐにわかる人は、結構な鎌倉通かもしれない。地元の人以外、ほとんどしられていないはずだ。当局も以前から気にはなっていたが、実際に行くのは初めてだ。この地区は、峯山方面から野村総合研究所跡地を経由して、佐助稲荷神社方面へとハイキング路があるのだが、意外と知られていない。というよりあまり使う人がいない、という言うべきか。

 峯山山頂(上)と、桔梗山山頂(下)
峯山は、鎌倉市の地名で行くと「常盤」や「梶原」などに近い場所だ。鎌倉駅からは西北西の方向にあたる。標高は90mもない(はず)。山頂は広場状になっており、木々も適度にまばらで、初めてきたがQRVするにはなかなか心地よい場所だ。東南方向には葉山・逗子方面の海や、西に富士山、北側には大船の観音様なども、林の間から見える。

木に87Rをぶら下げながらワッチしていると、「おっ、CBですか?」と同年輩の方から声がかかる。「ここは広いし、人がほとんど来ないから、運用するにはちょうどいい場所でしょう。」と言われる。全くその通りだ。この近くに住んでおられるようで、アマ免許を持っていて、若いころはCBもやられていたという。遠くから87Rを見て一発でCB機と分かるはずではある。

CQを出してみると、横浜市保土ヶ谷区のよこはまKZ123局よりコールが入ってくる。さすがに鎌倉山神社と違って、ここは北方向にも開けているので、横浜方面とはQSO可能なようだ。やはり標高より開けていることが肝心か???実際KZ123局によると、「さっきも少し聞こえたんですが、呼ぶには厳しいのでやめときました」、ようである。「さっき」とは、おそらく、北には全く開けていない鎌倉山神社にQRVしていた頃合いだ。

見晴し緑地(東京都多摩市)からもタマTS230局が入感するが、こちらは呼びかけてもダメだ。それでも横浜、東京方面はQRV局が相対的に多いので、やはり鎌倉では北に開けていることが重要だ(笑。

一方桔梗山は、峯山よりもまして、無線的にはなかなかQRVするにはよさそうな場所だ。標高は110m+α程度のはずだ。山でありながら基本的には竹林のようなのだが、山頂はかなりの本数が伐採されており、日差しが地面までよく届いている。山頂が広い分、視界は竹林に若干邪魔されがちだが、それでも、西北方向は奥多摩から武甲山、奥武蔵方面までよく見えており、この見え方の感じからすると360°開けているようだ。

5分だけの超短時間QRVだが、CQを出してみると城山湖のナゴヤAB449局よりコールが入ってくる。鎌倉山では、SS44局が城山湖と交信されているのが聞こえていたが、城山湖側は聞こえてこなかったので、やはりロケ的にはこちらの方が優れていそうだ。ちなみに当局が知る限り、桔梗山という地名は地図ではどこにも出てこないので、地元の人が自発的に付けただけの名前なのかもしれない。


そして最終仕上げへ?

最後はQRVとは関係なしに、佐助稲荷神社に寄る予定だったが、ハイキングコースと神社を結ぶ連絡路が去年の台風の影響で倒木が激しく通行止めだ。すぐ目と鼻の先に見えているのだが、立ち寄るのは断念、最後の仕上げとして「樹」でコーヒーをいただこう。

「樹」は、鎌倉のガーデンテラス系カフェとしては、いつも行っている石窯ガーデンテラス同様よく知られたお店だ。丘の斜面、階段状のスペースに広がるテーブル席は、さながら天空のカフェだ。(=冒頭及び右写真) もともと個人の別荘だったものを、カフェにしてしまったといわれるほどに、見晴らしがよい、・・・というより、気持ちが良い。どのテーブル席からも富士山はばっちり望めるが、テーブル席よりさらに高い所には、富士山を展望する場所も特別に作られている。

今日は、少しだけ火照った体を鎮めるため、クロワッサン・アイスクリームサンドとアイスオーレだ。アイスクリームはもちろんだが、カリッカリのクロワッサンの味がすこぶるおいしい。

空は相変わらず快晴、日もさんさんと降りてくる。午後のひと時、真っ白なテーブル席に、深々と腰を降ろすと、ふたたびゆっくりと時間が流れ始めた。


7QSO、各局TNX!! 

(´20/2/11)





運用データ


 ■運用日時・運用場所:

 
  ・2020年2月9日(日) 9:50~15:30 
               (ときどきQRV)
    神奈川県鎌倉市
     広町緑地公園、鎌倉山神社、峰山、桔梗山
  

 ■使用&装備リグ:
   CB : ICB-87R(SONY)
 
 ■使用電源
   ・乾電池、リチウムイオン電池10.8V/3.4Ah
   




QSO・CBL局
7QSO TNX!!  
(敬称略)

2020年2月9日(日) 9:50~15:00 晴れときどきQRV  
はちおうじX25/東京都八王子市小仏城山(CBL)*1 55/ はままつHX41/静岡県熱海市滝知山*1 56/56
かながわYS41/静岡県賀茂郡西伊豆町仁科峠*2 51/M5 イバラキRA136/神奈川県平塚市湘南平*2 56/56
とっとりU42 (CBL)*2 54/ とうきょうSS44/東京都奥多摩町日陰名栗峰*2 51/53
よこはまKZ123/横浜市保土ヶ谷区立花の丘公園*3 55/53 タマTS230/東京都多摩市見晴し緑地(CBL)*3 51/
ナゴヤAB449/神奈川県相模原市城山湖*4 51/52  ショウナンSA326/横浜市港南区さえずりの丘公園*4 54/54
       
当局運用場所 *1:広町緑地公園、*2:鎌倉山神社、*3:峯山、*4:桔梗山




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