2016運用記
黒山(各オン)
東京都青梅市・埼玉県飯能市






また黒山ですか?

以前、黒山での運用を記したが、この黒山については、その後も、サイタマKM117局さんがブログ「山岳移動の香り」の中で何度か触れられているように思う。「その後も」というのは、KM117局さんはこの辺りを縦横無尽に歩き回られているので、当局などが運用する以前から、目立たない形でブログとかに登場しているからである。奥多摩、奥武蔵などは自分の庭のように歩いておられるKM117局さんにとっては、黒山などは単に通りすがりの空気のような存在感のないポイントでしかないだろうと思われるのだが・・・。

今回は2年ぶりに黒山(東京都青梅市・埼玉県飯能市境)での運用だ。当初は関東北部のもう少し高い山に登る予定でいたのだが、CMのバタバタでそれどころの余裕はなくなってしまった。日常のCM疲れも癒す意味で、近場のロケでゆったりと運用しようという狙いだ。

家を出た頃は今にも雨が降り出しそうなどんよりとした雲行きだったが、現着するころにはすっかり晴れ上がり、見事な青空が広がっている。紅葉にはまだ早い森の木々は、まだ緑も豊かで風もなく穏やかだ。文化の日は晴れの特異日だが、今年も例外ではなかったようだ。

前回も記しているように、この場所は展望は全くない。そもそも「黒山」という名前がついてはいるものの、どう見てもハイキングコースの一角にしか見えない。この場所をめがけてやってくる人などはよほどの変人以外にあり得ない(笑。仮に無線だけが目的だとしても、少し足を延ばせば、より高く、より広く、展望もバッチリな棒の峰などがすぐそこだ。しかし、ハイカーもほとんど滞留することのない、この静けさこそが当局の狙いだ。

オンエアデーはたくさんの移動局が出てくる。今回は、SR-01をフルに使ってみるというのも目的の一つである。






朝はご機嫌は斜め?

8:30、ベンチにリグをセッティング、ワッチに入ると早速CQが飛んでくる。サイタマUJ120 局で、もうすでに武甲山の山頂におられるようだ。さっそく応答してみるが、どうも、SR-01は朝の出だしはご機嫌が悪いようで、コール後すぐに電源が勝手に落ちてしまう。しかも一度ならずも数回連続だ。いきなりQSOが途絶えてしまうため、UJ120局にも事情を説明しながらのQSOだ。前回横根高原から初めて試運用した時と全く同じ症状だ。

今回スタート時の電源は、リチウムイオン電池2直2パラで、8.4Vである。2パラなので容量は6.2Ah(=3.1×2)で、電流容量も十分だ。この電池はデジ簡用に使っているもので、5W運用でももちろん全く問題ない。SR-01は、電源電圧低下とともに、まず送信ができなくなり、さらに電圧が下回るとインディケータに「L」を点灯し、受信もできなくなるという警告機能を備えている。当局の電池は電流容量も電圧もバッチリなので、電池側に問題はない。実際、同じ電池を取り出して、今度は3本1直の12.6Vに電圧を上げてみると、全く支障なく動作する。その後も、一日中全く支障なく動作したので、電池側の問題ではないことは確かだ。通常、2パラがダメで1直がOKというのはあり得ない。ちなみに、前回の横根高原運用では、高電圧側の12.6Vがダメで、8.4VがOKという逆のパターンだった。個体差の問題かもしれないが、少なくとも当局の01は、どうも電圧や電流のスレッショルド管理が完璧でないように思われる(笑。

天気予報も良かったせいか今日はUJ120局以外にも低山移動局が結構おられる。奥武蔵の関八州見晴台、陣馬山、堂平山、筑波山などのおなじみの場所だ。関八州見晴台のトウキョウAB505局とは久々のQSOだ。

しかし、QSOでお相手いただく主流は、平地の運用局だ。各オンは春オンなどと同様、移動せずに自宅の庭先やベランダなどから様子を見ながら短時間運用される局長さんが結構おられる。上尾からはサイタマIC251局、狭山からはサイタマTA390局とつながり、ちょうど春オンと同じパターンであることが、QSOをしながら脳裏によみがえる。

SR-01はその後は電源が落ちることもなく、問題なく動作している。変調は特には確認していないが、特にお相手いただいている局長さんからは妙なコメントはないので、問題なく聞こえているのだろう(笑。一説によるとALCゾーンまで変調をかけないと、音声が途切れるという報告もあるようだが、当局はそんなことは全く意識していない。常にALCゾーンまで針を振らせてしゃべることは意外に大変なことで、そんなことを意識し続けなくてはならないようであれば、疲れることこの上ない。もし本当にそうであれば、そんなリグは要らない。そもそもALCは過変調を抑制するための仕掛けだ。もしALCを振らせるまで声を張り上げないとうまく変調がかからないというのであれば、それは本末転倒な話である。


やはり87Rは欠かせません

今日は天気もいいし、時間もたっぷりあるので、いろいろな局長さんの信号を聞きながら、87Rと受信側の比較をいろいろとやってみる。SR-01の飛び受けは前回も報告しているように、極めてFBだ。受信音も聴感的に安定しているし、送信も力強く?飛んでいるようだ。しかし、いろいろな場所から飛んでくる信号をチェックしてみると、SR-01でS6程度の信号が、87Rで場所を探るとS9+まで触れることがたびたびある。SR-01の場合、ポータブル機の宿命として、当然ながら同じ場所に固定しながら運用するスタイルにならざるを得ない。運用場所の地形(正確には送信側の地形も含めて)にもよるが、CBの場合5m~10m位置をずらしただけで、Sが5程度変化することも珍しくはない。その差が大きく出る場所もあれば、ほとんど出ない場所もある。87Rのようなハンディ機は持ち歩きながらぺスポジを探れるところが強みだが、今日は改めてそのメリットを認識させられる。もっとも、S6の信号がS9になったからと言って、大勢に影響はないのだが(笑。違いがものをいうのは、拾えるか拾えないかの限界ギリギリの信号が聞こえるようになったりする時だけだ。それでも貧乏性の当局などは、SR-01と言えども今後も相変わらず87Rは欠かせない存在となりそうである。





昼休みオペ

今日は木曜日の祝日だ。休みではなしに、結構CMの局長さんもおられるようで、12時を過ぎると結構な勢いでつながりだす。昼休みに出てこられた方々だ。さいたまBB85 局も今日はCMの合間の運用のようで、いつもの三毳山(みかもやま)ではない。QSOを終えると、もうすぐにCMに戻らねばならないと言われる。代わりに、三毳山では、今日は数局が合同運用されている。トチギAE560局は、明らかに小学生くらいの若い?声だが、なんのその、オペレートは非常にしっかりしている。

他のロケでも、『1年生です』、と自ら言われる局長さんもおられ、どうみても中学生の声ではないので、小学校1年生なのだろう。彩湖のとうきょうB71局他、さらに2~3局小中学生と思しきCBerがおられるということは、CB界の行く末を考えると、非常に心強い限りである。特に、DCRではなくCBに出られているところがミソだ。小さい頃から、11mの面白さを存分に味わってもらいたい。

サイタマKM117局ともお昼過ぎにつながる。今日は高い場所に移動されているわけではなく、『所沢の畑の中』から運用とのことだ。黒山の運用というとなぜかKM117局のことをすぐに思い起こすので、その黒山から実際にKM117局とつながるというのは妙にうれしくもある。

 

風は時々、そよそよと吹いたり、止まったりだ。空は底抜けに青いが、この「山頂」は木々に覆われているので、ほとんど直射日光が降り注ぐことはない。体に熱を浴びることもなく、風が少し巻き起こると冷たい空気と相まって、少し肌寒くも感じる。薄手のダウンに手袋という運用スタイルでちょうどよい感じだ。のんびり運用をよいことに、コーヒーもすでに7杯目に突入した。

朝、機嫌が悪かったSR-01はその後は快調だ。山梨県甲州市からは、とうきょうCT73局にコールをいただく。今日は小金沢山から運用されているようだ。しかしこちらと違って風が異常に強いようで、どうも運用に難儀されているようである。標高840m程の黒山は、飛び受けはそこそこのようで、伊豆半島先端に近い天城山(かながわZX9局)からもFBに飛んでくる。房総半島側も、あまり高い場所はないはずだが、中央部の長南町(ちばMR21局)や太平洋側に面した鴨川市(チバKS715局)などからも良好に入感してくる。KS715局などはRS54だ。


今回、11mのQSOはすべてSR-01で実施、QSO数は49QSO、稼働時間は連続約6時間半である。電源は前述のとおり3100mAhのリチウムイオン電池3直12.6V(開始時)で、運用終了時の電圧は11.07Vである。これは1本あたり3.69Vで一般的な仕様設定における空電圧3.6Vに近い。(ただし、この電池は台湾のKeepower社製で、中身は一般的に高性能とされる日本製(=セルはパナソニック製、電池の制御ICはセイコー(SII)製である。この電池はまだまだ電流は取り出すことができる)。普通のOAD等であれば、交換なしに行けそうではある。

いすれにせよ、SR-01は電気を大食いするので、電流に余裕を持たせることが重要かもしれない。特に低電圧入力時はアップコンバートしているようなので、余計に電流に余裕を持たせることが重要だ。(つまり低電圧側で動作させたい時は入力をパラレル等にすることだ。)したがって、SR-01は定格内であれば、どちらかと言うと高電圧側、12V ~14V程度で動作させる方が適当かも知れない。(=SR-01の定格最大許容入力電圧は15.0Vである。)ニッケル水素を使用する場合は、一般的に満充電値は一本当たり1.41Vなので、10直が限界だ。その時、電池ボックスを使用する場合は、10直のものが使用可能のはずだが、これを乾電池で使用してはいけない。乾電池は、新品時、一般的に1.6V以上あるからである。(もっとも、乾電池は内部抵抗が高いので、その分動作時は入力電圧は下がる。) してみると、これはCB機に限らず、一般的に言えることだが、重さと容積を気にしないならば、もっとも適しているのは、昔からある鉛蓄電池である。極寒の寒冷地でも一発でエンジンを始動できることからもわかるように、鉛蓄電池は圧倒的に内部抵抗が少なく、瞬間的な電力を取り出すことができる。電圧も12Vと適当だ。

今日の一番の収穫は、4局程度小中学生CBerに巡り合えたことかもしれない。ぜひ、友達にもこの「遊び」を広めてほしいものである。

51QSO TNX!!



 





運用データ


■運用日時・運用場所:

 
 ・2016年11月3日(木、祝日) 8:30~15:10 
       東京都青梅市・埼玉県飯能市(標高842.3m) 
  

■使用&装備リグ:
  CB : SR-01(サイエンテックス)、ICB-87R(SONY)
  DCR: IC-DPR5(ICOM)+1/2λホイップ(ダイヤモンド)
  
■使用電源
  ・リチウムイオン電池、乾電池





QSO局
51QSO TNX!!  
(敬称略)

11月3日(木、祝)   
サイタマUJ120/埼玉県横瀬町武甲山 57/59 とちぎ4862/栃木県足利市大岩山 55/55
トウキョウAB505/埼玉県飯能市関八州見晴台 59/59 サイタマTA390/埼玉県狭山市 56/56
トチギAE560/栃木県佐野市みかも山 55/56 サイタマIC251/埼玉県上尾市 53/54
ヒョウゴAB337/埼玉県入間市 56/54 とうきょうB71/埼玉県戸田市彩湖 52/51
サイタマK351茨城県筑波山麓 55/58 ちばCH47/千葉県千葉市 54/54
さいたまFL20/埼玉県ときがわ町弓立山 56/55 サガミFJ1300/神奈川県相模原市城山湖 54/52
ミトAG310/茨城県桜川市きのこ山 55/57 サイタマEP227/埼玉県ときがわ町堂平山 57/57
エドガワAN121/埼玉県入間市稲荷山公園 57/56 わかやまAB77/群馬県赤城山 54/54
ぐんまRY28/埼玉県ときがわ町堂平山 58/58 トチギIC320/栃木県佐野市みかも山 51/53
サイタマAC251/埼玉県上尾市 54/53 とうきょうMS25/東京都立川市昭和記念公園 52/52
ミズホKN504/東京都西多摩郡瑞穂町(DCR) B2/M5 トチギAE560/栃木県佐野市みかもやま(DCR) B2/M5
サイタマKM117/埼玉県所沢市 56/57 とうきょうMS87/東京都江東区若洲海浜公園 53/53
サイタマHK118/埼玉県春日部市 53/53 とうきょうCT73/山梨県甲州市小金沢山 57/57
カナガワHL320/神奈川県相模原市緑区焼山 56/M5 かながわCE47/神奈川県相模原市城山湖 53/52
サイタマTS105/埼玉県吉川市江戸川土手 53/53  トウキョウHN203/埼玉県朝霞市  53/51 
トウキョウOT173/東京都世田谷区二子玉川公園  52/52  ニシトウキョウYM207/東京都立川市若葉町 52/52 
さいたまBB85/埼玉県羽生市利根川土手  53/53  サイタマAD966/埼玉県狭山市入間川 57/56 
ミエJSG530/茨城県筑波山  53/55  ふくおかOC68/埼玉県大宮区芝川  54/55 
おおたY16/東京都足立区舎人公園  54/53  とうきょうYU815/埼玉県さいたま市西区  53/53 
ちばMR21/千葉県長南町  51/51  イバラキHS911/茨城県常陸大宮市尺丈山  51/52 
サイタマHN209/埼玉県熊谷市荒川河川敷  53/52  かながわZX9/静岡県伊豆市天城山  52/52 
ミヤギKI529/茨城県常陸大宮市尺丈山  52/52  チバKS715/千葉県鴨川市  54/53 
トウキョウAB625/東京都立川市  53/54  ヨコハマAD195/東京都稲城市見晴らし緑地  56/54 
サイタマKX211/埼玉県狭山市  56/54  カワサキCH101/神奈川県川崎市麻生区  52/51 
ちゅうおうM88/東京都江東区ゲートブリッジサイド  52/52  とうきょうKE28/東京都瑞穂町六道山 53/53 
ヨコハマAB158/神奈川県横浜市  52/52     
*:DCRの「B数字」は、傘マーク+バーの数(B3でフルスケール)


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