機能停止
朝7:30、駒ケ岳に登るロープウェイ乗り場に到着する。車を出てみると、空はどんよりと曇ってはいるものの、雲は薄く空は比較的明るかった。箱根は気温が若干低いせいか、登ってくる箱根新道脇の山にも未だ桜が、白・ピンクの色鮮やかに、花を咲かせていた。昼ごろから晴れという天気予報だが、駐車場の開場待ちをしている間に雲間が見え出し、富士山の雪を被った上半身が、桜の枝枝の間に垣間見えてくる。
始発(9:10分)のロープウェイは、9割方が外国人の観光客で、イタリア語らしき言葉が飛び交っている。ロープウェイが動き出して間もなくすると、春霞のような淡い空気の中に、雪を被った富士山が美しいコニーデの姿を現し始める。富士山側の絶好のポジションをキープしていた当局はぐんぐん高度を上げていくゴンドラの窓脇でカメラのスイッチをオン、撮影体制に入った。んン?レンズが出たのは良かったが液晶も消灯、他のスイッチもうんともすんとも言わない。(笑)これはシャッターチャンスどころではない。何度もスイッチを入り切りするが、ジイと、かすかな音を立てるだけで、完全に機能を停止していた。つい20秒ほど前まで正常に動作していたのに・・・。これはバッテリー切れとか生半可な、異常ではなさそうだ。焦って格闘している間に、ゴンドラはあえなく山頂駅に到着。富士山を見て喜ぶ外人の団体の傍らで、カメラを振ってみるが、再起する気配もない。某社のテレビCMのように、精密機械はたたいてもダメなのだが、ついついカメラをたたきたくなってしまう。
運用前に、2年連続でゴールデンウィークに駒ケ岳で運用しているヒョウゴAC315局にいろいろと情報を頂いていた(TNX AC315局)。情報に従い、山頂神社脇の用水施設のコンクリート上にリグを設置し、臨戦準備は完了する。QRV予定時刻は既に過ぎていたが、人の未練は恐ろしいもので、リグはスイッチも入れずに、そこでもデジカメを振ったりたたいたりしていた。カメラといえば、無線とは関係ないが、移動運用の七つ道具だ。これが機能を停止するのはかなり手痛い打撃だった。
時計は9時38分を回る。カメラは諦めて、しかたなしに(笑)ICB-707でオンエアを開始する。雲はいつの間にか消え去り、上空にはもう青空が広がっていた。
CQを出すと、早速シズオカYM181局(沼津市西浦)から応答を頂いた。周囲には林があり、ロケ的にはベストではないようだが、ノイズも全くなく56と強力だった。
反対側のカナガワ方面からは、いたばしAB303局に応答を頂く。今日はロールコールを予定されており、これから移動地に向けて出発されるところのようである。頂いたレポートは57。見通しだから当たり前だが、横浜方面とは相性がよいのか、同じく戸塚区方面のヨコハマBF35局からは59+のレポートを頂いた。シズオカステーションは、合同運用を予定されている局が多いようで、達磨山のシズオカT100局、水ヶ塚公園のシズオカMH313局も、これからまだ登ってこらえる局があるということを言われている。後刻、水ヶ塚公園には、しずおかDD23局が来られショートながらQSOすることができた。
QSOを続けるが、デジカメは相変わらず息を吹き返さない。しかたなしに携帯で写真を何枚か撮っていたが、iモードを切り忘れたせいか、すぐに電池切れとなりこちらも逝ってしまった(爆)。これで写真も、携帯も万事休すとなる。
芦ノ湖畔 |
朝の芦ノ湖畔雲間が見え始める。 |
遊覧船乗り場から駒ヶ岳ロープウェイ山頂駅がみえる。 |
桜、冨士ここまではデジカメも快調に動作していたが・・・ |
||||||
|
|
|
大山RPT
CBもひと段落したので、特小で大山RPTに話しかけてみると、カナガワOT207局より応答がある。「せっかく持参したので」、ということだが、昨年10月に滋賀県の霊仙山から、伊吹山RPTに同じ思いで話しかけたときも、つながったのはOT207局だった(笑)。(ながおかHR420局のe-QSO経由)ひょっとして常時ワッチされているのだろうか?OT207局は後刻、鎌倉市の半僧坊(南斜面)に移動され、CBでもつながったが、59同士で笑ってしまうほどの強さの信号だった。
スーパーロケ?
サイタマ方面からは堂平山移動のサイタマDB100局、サイタマAB960局よりコールを頂く。堂平とは、丹沢、奥多摩の山々が間に入り、地形的に入感が厳しいかと思われたが、52程度で問題なく信号が入ってくる。
所沢市のサイタマKM117局からもピックアップを頂く。畑の平地から良くつながるものだなぁと、いつも感心するのだが、平地としてはスーパーロケ?に思われてくる。KM117局は、伊豆半島の達磨山移動のシズオカT100局ともQSOされている。達磨山といえば、位置的には埼玉・東京方面とは反対の駿河湾に面した西伊豆側である。達磨山からも電波は良く飛んでいたようで、城山湖移動のトウキョウAB505局も応答されていた。
拾いきれるか?
木更津移動のチバTM42局とのQSOを終えると、おおさと59局のか細い変調音が入ってくる。埼玉からコールされているらしい。この日は30分周期ぐらいで海外ノイズが増減していたのと、山にいるせいか日曜日というのに違法局のカブリが時々激しくなっていた。RSレポート交換はなんなくできたものの、どうしても移動地が取りきれない。ノイズの合間の、飛んでくるか細い信号に神経を集中するが、どうしてもピックアップできなかった。(TNX おおさと59局)
富士山は11時半頃まで姿を現していたが、その後は厚い雲の向こうに閉ざされてしまった。観光客は富士山の姿目当てでロープウェイを登ってくるのだろうが、少しだけ拍子抜けして下りロープウェイへと戻っていく。富士は見えなくとも、ロープウェイ乗り場脇の展望台からは芦ノ湖の大パノラマが広がっているはずだ。
CBの合間に、久々に、何も期待せずに特小で大山レピータに話しかけてみると、ヨコハマGA422局より応答を頂く。移動地はトビオ山とのことだが、信号が時々途切れて入感してくる。どうやら当局の波も、時々ぶつりぶつりと切れているらしい。特小からCBに移ってQSOに入るが、このころ全チャンネル海外QRMとノイズで異様に騒々しく、信号を聞き取るのに苦労する。しかたなしに、一旦QSOを終了する。やはり、こういうときはFMか?と勝手に思い、あてもなく再び特小に戻ってGA422局をコールサインで呼びかけると、まだ特小を聞かれていたようで再び応答を頂くことができた。途中までは、信号が途切れるという不具合がまだ続いていたが、QSOの途中からは信号も途切れることなく安定してRPT波が入感してきていた。位置とかの問題ではないようなので、大山RPTの調子が心配になる。
12:30を回り、昼飯を食べながら運用していると、よこはまR16局というコールサインの局が強力に入感してくる。鎌倉の六国見山から運用されているという、その「1stQSO局」と話をしていると、なんと旧?きょうとR27局であることが判明(笑)。3エリアにおられた時は何度かQSOや掲示板でお世話になっているが、そういえば、1エリアに引越しとの情報を目にしていたのを思い出した。
油絵ではありません。(携帯写真) |
Mt.Fuji解像度が落ちると油絵のように。 |
707黄砂がとんでいたのか、リグにはしばらくすると黄色い埃が目に付き始める。 |
||||
|
|
13時からはいたばしAB303局による、ロールコールが開催される予定だった。特小を持ちながら、CBは常待機チャンネルである3Chに回しワッチに入ると、ちょうどCQを出されている途中のさいたまBB85局が飛び込んでくる。いつもの佐野市みかも山からの信号らしい。Sメータは見逃したが、変調音の芯がはっきりしている。すかさず応答し、受信に入るとS2程振ってくる。話をお聞きすると自転車に乗って3時間ほどかけて移動されてきたらしい!いつもながらその行動力には頭が下がる。みかも山は、当局も最近はHPなどを見ているので、少しは詳しくなったが、やはりいくつか運用ポイントがあるらしい。後ほど別の場所からも試されるという。
特小のワッチに戻ると、大山のRPTチャンネルに合わせっぱなしのR20Dから、AB303局のRPT経由でのロールコール開始のアナウンスがちょうど流れてきたところだった。GA422局と交信時は、RPTの不調も疑われたが、先ほどとは打って変わり、AB303局の信号は不思議なくらい淀みなく、なんの問題もなしに入感してくる。RPT経由、板橋区の荒川河川敷におられるAB303局にチェックインすると、M5が返ってくる。特小は、位置取りも殆ど関係ないようで、チェックイン終了後もコンクリの上に置いたままでも、RPTからの各局のチェックイン信号はラジオのように流れていた。AB303局によると、当局のCB波も荒川に入感していたとのことで、13:30からのCBでのRCも期待が持てた。
CBでは、東京方面は、山頂の崖よりに移動すると、飛び受けがよくなるようで、ハンディ機の880で、51/52でチェックインを完了する。
14時もだいぶ過ぎ、そろそろ撤収予定時刻が近づいてくる。最後にチャンネル内をチェックしていると、シズオカCV22局のQSOが57で入感してくる。CV22局とは昨年の沖縄運用時にコールサインの取り違い等当局のミスがあり、以前からそのことをどうしてもお詫びしたいと思っていたのだが、チャンスが巡って来た。QSOの最後にブレークをかけると、応答を頂くことができる。ひょっとして、この日運用されるかも、との淡い期待もあり、大満足で運用を終えることができた。
('09/4)
運用データ |
|
運用日: 2009年4月12日(日) 運用場所: 神奈川県足柄下郡箱根町駒ヶ岳山頂 (標高1,327m) 9:38~14:38 使用リグ: ICB-707、ICB-880 DJ-R20D (特小) |
'09/04/12 |