2020運用記
名洗港海浜公園
千葉県銚子市



[NTS115 フロントガードハンドル、ミキシングコンソール風仕様 (笑]




久々に運用してみた

もう水無月になる。今年はいつの間にか春は過ぎていった。新型コロナでそれどころではなかったのだから当然だ。何事もない平和な時間というものが、いかに貴重なものであるかということを改めて感じさせてくれた。緊急事態宣言は解除されたものの、まだ都道府県境を跨いで往来することはまかりならぬ、とのお達しは続く。しかし、パンデミックが人の命を奪う要因の一つである一方で、我々の営む経済活動が人の命を支えている基盤であることも同様に事実だ。6月19日を目途に、今度は一転、人々の往来を奨励し、観光地にも客を呼び戻そうと、キャンペーンも始まるらしい。

6月7日日曜日、今日はNTS115を持参、都県境はまたがずに、同じ県内の公園で久々の移動運用だ。前回も記した通り、4月下旬に届いたNTS115 は全く出番の機会がないまま現在に至る(笑。今日はようやく二度目??の稼働だ。いつもならこの時期はだいたい離島運用の前に、犬吠埼あたりで、持参するリグのテストなどを行っているのが通例だが、今年はもちろん離島運用などほぼ絶望的だ。

今回は、いつもの犬吠埼では面白くないので、犬吠埼の近くにある海浜公園での運用だ。犬吠埼から九十九里浜方向へと連なる海岸には、屛風ヶ浦と呼ばれる海食崖が続く。この名洗(なあらい)港海浜公園はその海岸を対面して眺望できる場所に位置する。場所的には、昨年の運用記に記した外川の街の、西隣になる。

黄色い草花が咲き乱れる、公園のベンチに腰を降ろし、NTS115をセッティングしてみる。空は灰色の雲でどんよりと曇っている。それでも目の前には階段状のコンクリートの先に、小さな砂浜もあり、潮風が心地よく吹き抜けていく。まだ朝8時半だというのに、母娘が砂浜に入りくる静かな波を楽しんでいるようだ。


 
 水と戯れる母娘。朝はどんよりと曇っているが・・・。リグをセッティングしたベンチ(右)。  




高性能スピーカーマイクが欲しかった(笑

今日のテーマはNTS115向けの外部スピーカーと、それ用の自作AFアンプのチェックだ。前回レポートしている通り、NTS115はAF音が小さく、内蔵スピーカーも貧弱なため、まともな運用を行うには外付けスピーカーが必須、それもアンプ付きがベターだ。

それにしても、一年前も犬吠埼で全く同じようなテストをしていたような???(笑。1年間全く進歩がないということか(笑。もっとも去年のテストはブラックバード用の試験で、外付けスピーカーも違えば、AFアンプも異なるのだが・・・。

 
   USBスピーカーとエレコムのスピーカー
 
  USBスピーカー裏面。回り込み対策を
施したAFアンプと電源部(18650電池)が
ベルクロで半固定されている。
(写真は午後君ヶ浜で撮影)
   
今回持参のスピーカーは、PC用のスピーカー2種だ。一つは基本Bluetoothで使うスピーカー(ただしライン入力も可能)、もう一つは通常のライン入力のみのスピーカーだ。Bluetooth用スピーカーはBluetooth接続で使うのではなく、単に、最近のBluetooth用スピーカーは比較的低域側が改善されているものが多いので、そのスピーカー部分を使うだけだ。この手のUSBスピーカーは必ずデジタルアンプが使われているので、CB機との組み合わせの場合ノイズ源となるので、ライン入力でアンプを利用して使うのはご法度だ。スピーカー背面に穴をあけて、単にスピーカーだけを使えるように改造してある。

もう一つのスピーカーは、エレコムの昔のPC用パワードスピーカーで、こちらはライン入力で使うものだ。右チャンネル側のスピーカー内にアンプが内蔵されており、左側スピーカーは単純なスピーカーとして動作する、最も一般的な構造だ。当局は以前から使用しているものだが、今回は別途中古品を改造用に新たに入手したものだ。

なぜわざわざ昔のものを入手するのかといえば、もちろん音が優れているからではなく、聞き疲れしないからだ。音的には中域の抜けの悪い、こもり系の音だが、相対的に低域側も出ているので通常のPC用スピーカーにありがちな軽薄な音は全くしない。したがって、テレビやラジオ(=PCモニターの音声出力)を長時間聞くには持って来いの音なのである。

もうひとつの理由は、昔のPC用パワードスピーカーなので、アンプ部は現在のUSBスピーカーのようにデジタルアンプではなく、アナログアンプを使用しているからだ。今回は、時間がなかったのと、自作アンプとの組み合わせなので、左チャンネル用の、アンプがない単純なスピーカーを使用しているが、右チャンネル用のアンプ付きのスピーカーも利用可能なのだ。

右チャンネル用は、エンクロージャー背面の内側に、AC100V用のトランスがついており、AC9Vに変圧後に整流・直流化→アンプに電源供給という、極めてオーソドックスな作りになっている。このアンプを直接DC駆動して使えば、そのままパワードスピーカーとして動作可能だ。(もちろん重いトランスは不要になる)。しかもこのアンプはトーンコントロール付きなので、当局が以前から「無線機にも必要だ」、と主張している(笑)、音質コントロールも可能だ。もっともアンプはステレオアンプなので、左チャンネル用は無駄にはなる。

ちなみに、NTS115は認定標準マイクが、ECM(エレクトレットコンデンサーマイク)とオプションのダイナミックマイク(プリモ製DM1599α)の二つとなっている。ダイナミックマイクの方は文字通り、マイクのみなので、一見スピーカーマイクに見えるがスピーカー機能はない。ECMの方は、「スピーカーマイク」なので、NTS115本体のスピーカー切り替えスイッチをEXT(外部)側にして、外部スピーカーを接続しない場合(=ジャックに何も挿さない場合)は、スピーカーマイクのスピーカーが機能するようになっている。ただ使用されているスピーカーマイクがコストダウンのためか、超安物なので、スピーカーの能率も低く、耳元で聞くぐらいならいいかもしれないが、内蔵スピーカーの方がまだましだ。ここは個人的には、もう少しお金をかけて性能の良いスピーカーマイクをオプションで用意しておいて欲しかったなぁと思ったりもする。コンデンサーマイク部は値段で性能に違いが現れることはまずないが、スピーカー部はコスト差がもろに出る部分だ。

ベンチで横になってまどろみながらワッチに入ってみる。入感は薄い。基本、何も聞こえてこないが、9時過ぎくらいからは、ソラチAA246局が聞こえてくる。普段この時期は南や西エリアが調子がいいはずだが、8エリアしか入らないというのは、今年はどうもコンディションが悪いのか?AA246局も、S1のランプが時々点滅する程度のか細い入感だ。ちょうど都合がよい信号強度なので、比較用に持参したSR-01と並べて比較試聴に入ってみる。

うん~、全く差はなし。入感度合いに差は感じない。今度は、ダメなのを承知で、まずはNTS115で声をかけてみる。・・・応答なし(笑。予想通りだ。次にSR-01で声をかけてみる・・・応答なし(笑。まあ、同等なのかどうかは、もちろんこれだけでは分かりませんが。

10時過ぎからは、あばしりAB39局も入感し始めるが、こちらも信号は弱い。しかし聞いていると、1エリアともつながっているようで、このロケより飛び受けの相性がいい場所がけっこうあるようだ。というより、このロケが飛び受けが悪いのか????(笑。西、南向けにこのロケを選んでいるのは事実だが。

 
 すっかり晴れ上がった海浜公園。海食崖も見える(右)。  



707と共通する心地よさ

最初は気持ちいい程度の浜の風だったのだが、時間の経過とともに、強くなってきた。SR-01は、風は大敵、撤収だ。NTS115の意外なところは、見た目以上に安定していることだ。ちょっと見るとすぐにひっくり返ってしまいそうだが、決してそんなことはない。電池など入っていなくても、リグ自体がズシリと重いのである。いったいこの小さい筐体の中にどれほどの回路が入っているというのか??と思えるほどだ。アンテナの根元もパイプでしっかりサポートされているので、アンテナ自体は結構頑丈だ。

しかしこうしてSR-01と並べて使ってみると、改めて小さいリグのありがたみを感じる。今までなんとも思わずに使っていたSR-01の「巨大さ」が、突然目に付くようになるから不思議だ。よくこんなものをリュックに入れて山の上まで持っていっているもんだと、つくづく思わされるのだが、しかし、それはそれで慣れてしまえば、なんともないのだ。

10時30分過ぎ、AA246局が少し上がってきたところでお声がけしてみると、今度は一発で応答がある。RS53/53。前回も記した通り、NTS115のSメーターは、送信時には電力効率?を表すようになっているが、今回も「5」のままだ(笑。

昼に向かって、空は晴れ上がってきた。初夏の強力な日差しが降り注いでくる。一方で、北東からの風が一層強くなってきて、容赦なくリグにふりかかる。ワッチも儘ならない。アンテナのことを考えると一旦撤収した方がよさそうだ。

午後からは、いつもの犬吠埼の君ヶ浜にロケを移してみるが、相変わらず入感はない。結局一日かけて聞こえてきたのは、わずかに北海道の5~6局程度、QSOはわずかに1QSOだ(笑。いつもながら、昼寝にきたようなものか?それでも、NTS115は27005もワッチできるようになっているので、子守唄代わりにはなってくれた。

それにしてもこの小ささ、ICB-707を操作している時と同様の心地よさを感じる。そう感じているのは当局だけではないのではないだろうか。

(´20/6/13)


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