[人もまだまばらな朝の山頂。屋根つきのベンチの横には大きな雪だるまがひとり佇んでいた。]


ミシュラン★★★
当局の場合、2週連続で運用に出かけるというのは、結構というか、かなり珍しい(笑。もっとも先週の鎌倉といい、今週の高尾山といい、運用というより、どちらかというと散歩がメインである。

時間は9時を少し回ったところ。山頂(標高599m)は、まだ朝の空気だ。ハイカーはすでに10人くらいは来ているものの、静かな雰囲気がただよっている。富士山も、気圧・湿度の関係からか、「くっきり」とはいかないまでも青空を背景に白い全容を現していた。丹沢山系の斜面も雪をかぶっているようで、茶色ではなく灰白色に近い山肌だ。

高尾山は、あのフランスのミシュランガイドで三つ星を獲得している観光地だ。今はまだまばらだが、人気のスポットなので、どうせすぐに人がいっぱいになることは目に見えている。特に三つ星を獲得してからは人が増えたような気がするが気のせいか?観光客の邪魔にならぬよう運用場所を十分吟味して707を設置、いつものようにはやる気持ちを抑えながら、スイッチをひねってみる。ムムム…異様な人工ノイズ。どのチャンネルもS2~3くらいの強度のノイズで、まっさらな、透明なホワイトノイズが完全に覆い隠されてしまっている。さも、ありなんである。山頂にはビジターセンターに加え、茶店・お土産物屋などが3~4軒あり、まだシャッターは閉ざされ開店していないものの、電気系のノイズが出まくっているようだ。

山頂運用はあきらめ、ノイズのない場所を求め、つけっぱなしの707を片手で持ちながら移動を開始する。予定通り?陣馬山方向へ尾根沿いのハイキングコースをとり、200~300mほど離れた「紅葉台」まで来ると、ノイズは完全におさまった。「紅葉台」は、ベンチもたくさんあり、名称からすると秋には紅葉が見ものの場所なのだろう。富士山から丹沢方向の景色も、山頂以上に見事だ。しかし、肝心の都心や埼玉方向が完全に木立にふさがれており、電波の飛び受けは???だ。しかも山頂より標高が低い(笑。まあ、とりあえずと、CQを出してみる。が、全チャンネル閑古鳥状態である。唯一6Chあたりで、いつものようにスタンバイピーの南方局が聞こえてくるぐらいだ。人工ノイズが無いのは気持ちがよいが、運用局がないのは寂しい。

左:山頂はまだひっそりとしているが、目に見えないノイズであふれる。純AMのCB運用は不可能だ。
中:快晴のよい天気だが、くっきり、すっきりと言うほどではない。

右:紅葉台。ここからの富士の眺めもすばらしいが、北から東方向は森状態で電波の飛び受けは期待できない。



紅葉台→一丁平へ
あまりロケはよくないが、一応デジ簡も試してみる。こちらの方はCBとは違い、さすがにすぐに交信相手がみつかる。本日の一発目は荒川河川敷(埼玉県熊谷市)移動のサイタマMK2局だ。北東方向には全く見通しは効かないが、なんとか飛んでいっているようだ。MK2局とのQSOを終えてほどなく、今度はいつもお世話になっているサイタマAB960局のCQが飛び込んでくる。こちらも森に阻まれるので、最初は時々途切れるが、位置を微妙に探るとM5で全く支障なく入感してくる。モービルのホイップから1wで飛ばされてきているようだ。AB960局さんによると、運用場所からは、やはりすっきりとは言えないが、浅間山まで見えているようだ。風もなく天気は絶好の無線日和には違いない。AB960局とは後からCBでのQSOにも期待する。

どうやらもう少し良いロケを探す必要がありそうだ。707のアンテナを全展張したまま、聞きながらハイキングコースを更に陣馬山方向へと移動してみる。最初は下るばかりで全く標高があがらない(笑。おまけに雪解けで、関東特有の粘土質の地面がぐちゃぐちゃで、つきたての餅のように登山靴に絡みついてくる(笑。1Kmちょとワッチしながら前進、途中サイタマAB847局や、トウキョウAB505局などが聞こえてくるが、まだ運用場所としてはふさわしくないので、とりあえずベンチのある「一丁平」まで移動してみる。一丁平はまだ一面に雪が残っている。

しかし、一丁平でもCBは運用局がほとんどない。お相手いただけるのは、お隣の城山湖に移動中のかながわCE47局ぐらいだ。CBはワッチの時間が増えていくだけで、やはりQSOのメインはどうしてもデジ簡になってしまう。

ナゴヤAB449局は国道16号をモービル移動されているようで、車の中からお声掛けをいただく。はたして今日もどこかの運用場所に向かわれるのだろうか(笑?デジ簡の強みは何と言ってもモービル局や、固定局とつながるところである。市民ラジオではこうはいかない。当局は決してアクティブな方ではないが、昨年の運用で1stQSOの局はほとんどがデジ簡によるもので、またそのほとんどが固定局である。アクティビティーが高くないとはいえ東京での逆単身赴任も5年目に入ったので、1エリアでの運用数もそこそこのはずだが、それでもデジ簡ではまだ1stQSO局が増えている。昭島からはとうきょうSS44局からコールをいただく。マンションのベランダから出られているようだ。たちかわ11局は武蔵砂川から、よこはまBP37局は相模原市中央区からだ。ヨコハマAK415局は、まさにまだ無線を始められてから日が浅いとのことだが、2階に設置したモービルホイップからFBに出られている。いずれも1stQSOの局長さんたちだ。

一丁平

左:一番隅っこのテーブルにて。
中:さすがにミシュラン三つ星だけあってハイキングコースの途中と言えども、いたるところに綺麗なトイレが整備されている。
右:標高も高尾山頂より低く、北東方向のみ開ける。



長野からのお客さん
12時を回って、そろそろ山頂の茶店に戻って昼飯でも食べようかと考えていると、思いがけない方からコールをいただく。ナガノAA601局だ。アイボールしてからは1年以上、QSO自体は、昨年の秋オン以来である。とりあえずは新年のあいさつだ(笑。AA601局は3連休ということもあり?、わざわざ長野から、ながのDF73局とともに、城山湖まで遠征に来られたらしい。DF73局ともすぐにつながるが、お二人とも城山湖でもちょっと高みにある航空神社近辺からでられているようで、DF73局は北東から東方向の見通しいがすばらしいといわれている。そこには、なんととうきょうMF33局もおられ、立て続けにQSOいただく(笑。MF33局とも久々のQSOだ。

城山湖ではすでに、かなりの局長さんらがいつものように集まっているらしい。長野からの遠征隊、初めての城山湖で、運用・アイボール等、楽しまれただろうか。

高尾山頂への戻りは今度はデジ簡をつけたままにして、移動してみる。ぐちゃぐちゃの道を慎重に歩き始めたところで、すぐに、かながわHR17局のCQが入感してくる。横浜港大黒埠頭に移動されているようである。やはり最後のQSOもデジ簡か?

山頂まで戻ってくると、茶店には列ができるほど、すでに人でごった返していた。

                                                    (’13/2)

左:やぱり最後はこれか?ざるとろろそばの前に一杯!
中・右:山頂へはいろいろなコースがあるが、立派な薬王院の境内を抜けていく。



運用データ
■運用日時・運用場所:
 
 2013年2月10日 9:15~12:55
    
 東京都八王子市高尾山紅葉台(標高約550m)、一丁平(標高約550m)
  
■使用&装備リグ:
  CB: ICB-707(SONY)
  DCR351(デジタル簡易無線):
      IC-DPR5 (ICOM)+1/4λホイップ (第一電波)
■使用電源(予備含む)
  ・Li-ion: 7.2V/6.2Ah×1 (DCR)
        10.8V/3.2Ah (707)  
       


QSO局 15QSO TNX!!  
(敬称略)

サイタマMK2/埼玉県熊谷市荒川河川敷(DCR) M5/M5 サイタマAB960/埼玉県比企郡吉見町(DCR) M5/M5
かながわCE47/神奈川県相模原市城山湖 59+/59+ ヨコハマJA298/東京都稲城市見晴らし緑地(DCR) M5/M5
とうきょうSS44/東京都昭島市(DCR) M5/M5 ナゴヤAB449/神奈川県相模原市国道16号M(DCR) M5/M5
ヨコハマFUR98/神奈川県横浜市保土ヶ谷区(DCR) M5/M5 たちかわ11/東京都立川市(DCR) M5/M5
トウキョウAB505/埼玉県比企郡滑川町ニノ宮山 52/52 ナガノAA601/神奈川県相模原市城山湖(DCR) M5/M5
ヨコハマBP37/神奈川県相模原市中央区(DCR) M5/M5 ヨコハマAK415/神奈川県横浜市(DCR) M5/M5
ながのDF73/神奈川県相模原市城山湖(DCR) M5/M5 とうきょうMF33/神奈川県相模原市城山湖(DCR) M5/M5
かながわHR17/神奈川県横浜市横浜港(DCR) M5/M5
DCR:デジタル簡易無線



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