高見山運用 (2008/03/02)


高見山へ

週末の連続した荒天で、当初2月10日に予定していた移動運用は3週連続で延期、移動予告をしては取り消し続けて、結局3月2日になってしまった。特に前週2月24日は、昨年11月に移動した高見山目指して、朝、三重県深部まで移動したものの、雪のかけらもなかった名古屋市内から一歩出て、四日市に入った途端すぐに高速道路も降雪・積雪状態であった。三重深部までくるとかなりの積雪となり降り方も激しさを増してきたので、移動をあきらめ家に引き返すことに。別に道路の積雪自体はかまわないのだが、帰りに高速が閉鎖になったり、渋滞したりするのが鬱陶しい。

3月2日は久々に一日中晴れとの予報で、めげずにもう一度高見山(1,248m)を目指して車を走らせた。延期している間に、はからずも、2エリアの伊勢湾RC、関西エリアの関西OAMのダブル開催と同じ日になった。下調べでは高見山山頂から名古屋市中心部までは、直線で110Km、六甲山まで85Km程の距離である。
雪道の林道を登り口の駐車場までたどり着くと、2台ほどの先客が装備をしてスタートするところだった。気温はマイナス3度程度で風はなく穏やかだった。当局も6本爪軽アイゼン、スパッツを装着し登りに取り掛かる。
前回同様途中から、檜塚奥峰方面を見返すと、前回とは打って変わって明るい日差しが降り注いでいた。空はぬけるように青いが、気温が高めのせいか、霧氷が現れ始めるのは9合目くらいからだった。山頂に着くと、前回は地面から胸の高さほどで、リグを置いて運用するのに最適だった山名案内盤は、今回は雪に埋もれて腰から膝位の高さに「縮まって」いた。山名案内盤上のリグはハイカーの迷惑になるので、ICB-707は持参のイスにセット、PR-900のみ案内盤の片隅におかせてもらうことにする。

9:35分オンエア開始。試しに5Wパソ機のPR-900でCQを出してみると、こうべHL100局より応答をいただいた。神戸市の固定からだが、メーター振り切れで大変強力に入感してくる。これから関西OAMチェックインのため、ご自身移動されるところだという。続いてイワテB73/2局、四日市モービルからお声がけをいただく。走行中で前半は途切れ途切れの入感だが、QSO途中からはまったく問題なく入感していた。自宅固定や移動中の車の中からと、いつでもつながるのがパーソナルのよいところか。パーソナルは本来移動体向けに作られたシステムであるので、当たり前かもしれないが、本体のアンテナを伸ばさねばならないCBや出力が極めて小さい特小では、QSOを目的とした走行車両からの運用は不可能な世界だ。そんなことがぼんやり頭をよぎっていると、立て続けにシガRA318局よりコールを頂く。RA318局も滋賀県大津市の固定からで、普段から27144でスタンバイされているらしい。こちらもクリアなFM音で、メーター振り切れで強力である。

山頂へ
最後の直線で高角神社が見えてくる
神社から
まるで桜並木のようだ

関西OAMにチェックイン
そうこうしているうちに、午前10時、関西OAMの開始時間が近づいてくる。CBをワッチしてみると、関西OAM狙いをかねて移動すると予告されていた、なごやCE79局が愛知県常滑市から出ておられる。コールすると、いつもとは違ったやや高めのマイクの変調音で、RS55でガツンと入感してくる。この時は未だチェックイン前だったが、後から六甲山のキー局えひめCA34局に聞くと、この時点で既に、六甲側ではCE79局のCQ波を捉え、コールされていたようだ。常滑からの六甲狙いは、伊勢湾、鈴鹿山脈を越えての山岳回折による伝播になる。愛知、三重、岐阜の2エリア側では、兵庫県六甲山との見通し外QSOが可能なポイントがどんどん確認されているが、電離層反射でもないのに、全く見えない山の向こうへグランドウェーブが飛んでいくという事実には改めて感動させられる。

1ChではCA34局の歯切れよいオペレーションにより、関西OAMが開始されていた。チェックインを完了させ、しばらく他のチェックイン局の入感状況を確認してみる。四国からはとくしまMX21局がチェックインされているが、当局の方では耳をすませても、RS21程度で変調がようやく確認できるかできないかのレベルでの入感しかない。先ほど固定パーソナルで繋がったこうべHL100局のCB波はRS51で入感してきていた。なごやCE79局も常滑からチェックインに成功されている。当局には入感がなかったが、この日新規開局の注目局、おおさかNN43局も、ICB-350で無事チェックインされたようだった。
特小では、こうべAA805局がレピーターを運用されている。AA805局、その後、大阪市内からヒョウゴOK966局とQSOを完了する。AA805局はレピータ直下のせいか、低音が効いたパンチのある変調音だった。レピーター経由では、その後ハンシンAA727 局も入感、QSOに入ったものの、当局側のポジションが悪いせいか、レピーターへのアクセスが乗り切らずに、尻切れとなってしまう。前回運用時も同様の現象があり、山頂といっても平らな部分が多い六甲山とはどうもロケの相性がベストではないようである。

パーソナルに戻ってこうべAA805 局とQSOしていると、伊勢市管内、「よしださん」よりお声がけをいただく。1,250mから電波を出しているのでいろいろな方向に飛んでいっているが、たまたま固定で傍受されたという。普段はあまりつながることがないとのことで、珍しがられる。どっこい未だパーソナルは片隅で生きているということか。続いて名古屋モービル「関西の寅さん」からもコールを頂く。合法CBのようなコールサイン(当局のように電監コールでないものは、ニックネームに等しいが)はないが、時々モービルでコマーシャル中に、当局らの運用中にコールされているらしい。知多半島、常滑移動のギフTY290局の900MHz波も振りきりでの強力入感だった。
今、休日のパーソナルは見通しのよい、高い場所に居たとしても、周波数はガラガラである。この電波資源はやはり活用しない手はない。

山名表示盤
雪がなければ、胸の高さ程度だが、膝から腰の高さに縮まっていた。
倶留尊山方面
下界は、何事もないように地面が拡がっている。

再びCBに戻ってワッチしてみると、きょうとKP127局が京都府南丹市深山から出られている。かがわHC18局とQSOされているが、当局にはHC18 局の入感はなかった。やはり、各局冬季は積雪等のため高所移動ができないのが残念であるが、KP127局は事も無げにQSOされており、ロケもかなりよさそうな場所と思われた。QSO終了を待ってコール、当局とは見通しで100Km程度?のせいかS5ながら耳Sでは強力に入感してくる。ブログでいつも拝見している10/14メガやアンテナ等アマ関係の話をしていると、当局もアマ運用を再開しなければな~と妙な義務感のようなようなものがふつふつと湧いてくる。今のところ、その日は当分来そうにないが・・・・。午後、KP127局の信号を87Rで確認してみるとS8以上振っていた(笑。前回もそうだったが、707で内臓式バッテリーを使用すると、バッテリーが平板状のせいか、やはりSメーターの振り方が悪くなるようである。耳Sの方がよほど頼りになる…(笑。
KP127局とのQSOを終了しリグを離れると、ヒョウゴAC315 局が当局を呼ばれていると、127局よりQSPを頂く。もう一度リグに戻ってよく聴いてみると確かに若干弱いながら、オールコピーRS51で入感してくる。大阪市淀川堤防沿い、平地からの入感である。当局からの信号はかなり厳しかったようであるが、よく拾っていただいたものと、AC315局に感謝する。

ラシーバ50mWの変調
既に各局が聞かれている、CA34局のラシーバ50mW機。チャンネルを回していると、運良くCA34局のQSOが飛び込んできた。OAMチェックイン時とは明らかにS感度が異なるので、会話を聞いているとやはりラジオ内臓50mW機の信号だった。50mWでは通常信号強度が弱まるので、当然AF出力が落ち、S/Nとしてはかなり厳しい条件となるはずだが、大層立派な、深すぎず、浅くもなくという変調音でびっくりする。CA34局からは、「モジュレーションメーターまでついてますよ」との回答を頂く。その実力開花は未だこれからだろうか。

伊勢湾RCにチェックイン
山頂では、風もなくおだやかな天気が続いていた。これまで何人が登ってきては、過ぎ去っていったことだろう。山頂で3時間も4時間も過ごすのは、通常の山歩きでは考えられないことである。
陽が高くなって、気温が上昇してくると霧氷で真っ白だった木々の枝枝も徐々に白い化粧を落としていった。ぐしゃぐしゃと、山名案内盤の周りは雪がやわらかくなっているが、溶け出すほどの気温でもない。雪を踏み潰しながらの運用だが、それでもこの山の周囲は銀世界である。下界を覗き込んでみると、地肌の大地が広がっており、ここだけ別世界であることが実感させられる。

13時からは、伊勢湾ロールコールにチェックインすべくCBのワッチ体制に入る。キー局B73/2局による伊勢湾ロールコールは、回を重ねるたびにチェックイン局も増大し、盛大になっている。今回は特にチェックイン局が多く、キー局は、順にコールサインのエリア別にロールを取られている。伊勢湾RC開催地とは相性がよいのか、今回も御在所岳からのキー局の信号は、59+40dB近くまで針が振れている。他のチェックイン局もほとんどが聞こえてくる。四日市港からは数局がチェックインされているが、聞いているとそれぞれ信号に違いがあって面白い。RCに初チェックインの局もあるようである。
今日は天気もよいせいか、伊勢湾上には、お馴染みアイチDI209局のマリタイムモービルが、田原市蔵王山にはシズオカAD964 局、津市経が峰にはミエBN70局、岐阜金華山にはアイチJH316局が、文字通り海に山に移動されている。
ロールコールも終了し、バンドも静かになった。撤収のタイミングを見図らないながらCQを出していると、アイチHZ76局/常滑移動よりコールをいただいた。最初はRS31とかなり厳しい入感だったが、コールを確認している間に場所を移動してもらったのか、RS41~51でQSOしていただく。1st QSOであるが、2エリアのポテンシャルはまだまだありそうである。




運用データ
運用場所:
  高見山山頂(標高1,248m)
  奈良県吉野郡東吉野村(三重県松阪市境)
時間:
  2008年3月2日9:35~14:45
使用リグ:
  ICB-707(リチウムイオン内蔵式バッテリー)
  サブ機ICB-87R
  PR-900(パーソナル機)
  DJ-R20D(特小機)


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