御岳山運用 (2007/12/31~2008/1/1)
特別な日
大晦日は過ぎ行く一年の締めくくりでもあるが、来るべき翌年の前日でもある。寂しさと期待の入り混じる、一年でも特別な日となる。この特別な日、各局どのように過ごされるだろうか。当局は、これまでは実家近くの高台でのCBプチ運用経由、近所の小さな神社へ初詣でというパターンだったが、今回は、電車&ケーブルを利用、青梅市御岳山で年越し運用をしてみることにする。御岳山(929m)は、遠足やハイキングで有名な場所で、もちろん下からも登れるが、山上には武蔵御嶽神社があるため、大晦日は登山用のケーブルカーが終夜運転を行っている。

午後9時35分、青梅線御嶽駅着。駅から、ふもとの御岳山ケーブル滝本駅までは、もう少し遅い時間になれば、逆に初詣客用に臨時バスが出ているが、この時間は徒歩でのアクセスとなる。おなじ東京都でも少し山側に入るだけで、星が異様に明るく輝いていた。途中休みながら星空を堪能しつつ、車道の上り坂を40分程歩き、ケーブル駅に着いた頃には汗だくになっていた。QRV予定時刻を11m掲示板に打ち込み、ケーブルに乗車、山上駅より更に展望台へと登坂を急ぐ。御嶽神社への参拝コースからはずれているため、そこには誰一人いなかった。その代わり、下界には見事な東京の夜景が光の海となって待ち構えていた。

夜景の中で
誰一人来ない展望台だが、見事な夜景が待っていた。(都心部北部方面)

夜景のことは全く頭になかったので、古いデジカメを持参。三脚なし、5年近く前のコンデジでは全く話にならない写真だが...


灯は点いているが、閉ざされた食事所の隣にある展望台は、前回運用時より、草木が刈られ、かなり良好になった視界から、文字通り夜景を独り占めすることができた。写真撮影もそこそこに、デイパックより707を取り出し、12月31日23:05分さっそくオンエアを開始する。
すぐに、所沢市荒幡富士移動のサイタマQBM254局より応答をいただくが、この頃はまだ、元気のいい違法局が年末最後の運用中で、バンド内がかなりうるさい。QSYするも結局効果なしで、ショートQSOにて失礼する。荒幡富士はいつもの運用メンバーが参集しているようで、その後も混変調で聞こえてくるほどにぎやかなようだった。稲城市のみはらし緑地移動のトウキョウAY43局とQSO後、トウキョウLM502局、イタバシAA214局、荒幡富士のトウキョウAD88局とQSOする間、23:30を回ると違法局も影を潜め、バンド内は静かに合法CB局のAM波が聞き取れるようになってきた。ノイズのない世界でCB波が静かに流れるというのは、当局が運用する限りにおいては、年に数回しかチャンスがない。午前零時、新年を迎える直前、横浜市円海山移動のヨコハマAD286局からも東京湾方向に美しい夜景がみえているようだった。

2008年の幕開け
新年がすぐそこまできていることはわかっていた。そのままQSOしていると、下界のほうで、あちこちで打ち上げ花火が上がっているのが見える。零時を回り、2008年が幕を開けたようだ。むさしのSR911局からも、そこかしこに花火が見えているとのことだった。

気温は、QSO局からの情報を基にすると、山上ではおそらく-3度~-4度くらいのようだったが、風がなく穏やかな新年を迎えていた。夜景の灯もいっこうに減る気配はない。東の地平線からは、月があがってきて幻想的な雰囲気をかもし出していた。

完全武装で、かつ風がないからいいようなものの、それでも体を全く動かさない無線運用では底冷えのする山上ではあった。運用していると、隣の休みどころのご主人?が出てきて、「無線やってるの?...寒かったら上(2階)にあがって休んでいきな~」と親切に声をかけてくれた。ありがたいことだが、残念ながら休んでいる暇はない。自販機の缶コーヒーで手を温めながら、CQをだしていると、8月の大菩薩運用以来の2ndQSOとなるあきしま5211局/見晴らし緑地からお声掛けをいただく。みはらし緑地も、テントあり、鍋ありの8~9局による合同運用で大変にぎやかな夜のようだった。
ふだんは2エリアでつながっているアイチJH316局/成田市から、コールをもらい、QSOいただく。おそらく平地から、51での入感だが、静かなバンド内、成田からクリアに届いていた。ふだん2エリアでQSOしているだけに、1エリアでつながると妙な感じもする。都幾川町堂平山からはトウキョウAB505局からもお声掛けをいただく。505局とは、昨年の大晦日にもQSOしていただいている。そのとき(昨年の大晦日)には、AB505局がJH316局をコールする声が聞こえていた...。一年前を髣髴とさせる。316局と同じく千葉方面からは、トウキョウAZ808局からも応答をいただく。
午前1時近くになると運用局も減ってきた。チバFA524局/みはらし緑地、さいたまCB2局/上尾市とつながる。見晴らし緑地では、帰宅局、テント内でくつろぎ局等あるようだ。まだススキもあるとのことで、さながらお月見のようだとの情報も入ってくる。さいたまCB2局とは、寒い中ベランダに出てもらってのQSOとなる。

8Chの方をワッチしてみると、チバKX56局のシグナルが58で強力に入感してくる。都心&東京湾を通り越した、房総半島鋸山三角点からの運用らしい。ヘッドランプをつけて真っ暗闇の中を三角点まで移動されての運用らしい。近くには野生のサルも動いているようで、そのバイタリティには驚かされる。
バンド内の静けさと共に、寒さも体の芯まで応えてきた。運用を切り上げようかと思いつつ、CQを出す。1:30を回っても、まだまだ運用局はおられる。神奈川県城山湖でカナガワCE47局が、国分寺のむさし国分寺公園では、真夜中の公園の中ムサシノSK317局が運用されていた。終了予定時刻の午前2時を過ぎ、スギナミAA530局とのQSOを最後に2時半頃撤収する。

運用終了後は、御嶽神社にお参りし、3時20分の下りケーブルカーに乗車する。月はとうに高く上がっていたが、相変らず街の明かりは衰える気配はなく、神社への参道からも、八王子方面まで美しい夜景が綺麗に見えていた。この時間、山上では参拝客はまばらだったが、御嶽駅に戻った頃にはようやく初詣客が増えてきた。展望台での運用中は3脚を担いだ一人の素人?カメラマンと、2人の通行人が展望台を訪れただけだった。

キラキラと、静かな初運用だった。

運用データ
運用場所:東京都青梅市御岳山展望台(標高約870m)
時間:2007年12月31日23:05~2008年1月1日2:35
使用リグ:ICB-707(リチウムイオン内蔵式バッテリー)、サブ機ICB-87R

背後に夜景、リグの左肩には月が...
気温の関係上、吐息でマイクがびしょ濡れになるため、ハンカチで拭きながらの運用となる。

今まであまり使ってなかった707だが、最近出番が多くなった。やはりこのコンパクトさと、寒いときは特にPTT付きマイクは便利だ。


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