偉大な星空
8月10日24時45分、大菩薩のロッヂ長兵衛前の駐車場に着く。灯ひとつない駐車場に降り立つと、空は満天の星だった。落ちてきて怖くなりそうなくらいに星が見える。なんという空だ。
名古屋からの道中は、アイチAD162局と諏訪湖SAでアイボール、AD162局とのスケジュールに便乗する形だったが、ながのDG93局とも久々にQSOできた。93局は相変らず仕事が忙しいようだったが、夜10時過ぎにわざわざ出て来られるというのは、大変ありがたいことである。

富士は見えるか
11日朝5:30、スケジュール通り大菩薩嶺を目指して歩き始める。整備された「唐松尾根」を通る直登ルートを高度を上げていく。後半は樹林帯を抜けると富士の輪郭が見え隠れする。快晴だが白茶けたガスの向こうに薄灰色の富士の輪郭が確認されてきた。
6:50雷岩に到着する。大菩薩嶺の山頂手前の雷岩は、標高2,037m。7:00、ここでQRVする。山頂まで行ってしまうと木々に阻まれて見通しがよくない、数dBの電力をロスしてしまう。雷岩も、基本的には東京・埼玉方面にはかなりの面積が見通し範囲だが、東面は木立がないわけではない。ただ、尾根伝いに登山道を下って完璧に開けたところに出るには時間がもったいない。その代わり富士山、甲府、山梨市方面には申し分なく立体的な空間が広がる。
土曜日の朝は、CQに応える局もなく、岩の上からの送信が続く。リアル板にQRVを書き込んでしばらくすると、あきしま5211局日野市より、応答を頂いた。53/54。出勤前の貴重な時間を割いて出ていただけるのは本当にありがたい。

富士山は

登り後半、視界が開けてくると、富士山が見えてくる。
今日は、かすんで見えている富士山、山容をはっきりと現すのか。


よく晴れ渡ってはいるが、夏焼けした空の下には、富士山が霞んで見えていた。今日はその端麗な容姿をはっきりと現すことがあるのだろうか。
定期的にCQを出し続けて、9時が回る。
受信中の8Chの遠くの底から合法局が聞こえてくる。よく聞いてみるとローカル局ではなく、フクオカAB182局/6だ。朝早めの時間にEsに乗って、北九州?から山梨県甲州市まで電波が飛んでくる。こちらから呼んでみるが、応答はない。そういえば、朝から違法局の元気があまりに良すぎ、使えるのは8Chくらいだった。1エリアでQRVするのは久しぶり、しかも山の上なので、こんなものかと思っていたが、Esもまだ最後の力を振り絞っているようだ。
しばらくして、ヤマナシA905局甲府移動よりお声掛けをいただく。大菩薩の代わりに登ろうか迷った北奥千丈岳の話、よく移動されるという湯ノ沢峠の話を頂く。特小でも問題なくQSOできる。ヤマナシコールの局と交信した記憶はなく、こうしてQSOできるのもこういうチャンスしかない。当局の移動予定をネットで見られていたようで、わざわざ応答いただけるというのはこれまたありがたい話である。


707の上に
軽量装備仕様のため、ICB-707を使用。
リグの上に見えている富士山は、時間とともに、どんどん霞んでいった。

山梨局100%...?
9:45、聞き覚えがある、というより聞きなれたお声の主よりコールをいただく。埼玉県都幾川町堂平山移動の、トウキョウAB505局だ。午後のロールコール参加のため移動されてきたらしい。今年6月の沖縄移動時の記憶がフラッシュバックでよみがえる。あの時は10分以上、粘り強くQSO頂いた。一緒に移動されているオオサト59局ともQSO頂く。昨年のお盆以来のQSOである。
その後はEsに乗って、九州局が時折入感してくるが、ローカル局の出現はない。CQを出し続けていると、ヤマナシL37局山梨市より応答を頂いた。ロケが悪いところから出ているので、後でもう一度場所を変えて出てこられるという。それでも十分な強さだったが、後刻フルーツ公園に移動されてQSO頂く。こちらはさすがに耳S59で強力だった。特小で富士山RPTと思しきレピータが設置さている、とのことで、試してみるとRPT経由でもつながる。特小のダウン側を聞きながらCBで交信を続ける。ひとしきり山梨のCBの状況のお話をうかがう。山梨で確認されている現在のアクティブ局はA905局とL37局の2局であるとの話もあり、当日当局の交信したのが山梨局の100%になる?ということであろうか?....。

昼になっても、富士山は朧なまま、くきりとした容姿を最後まで現すことはなかった。


ICB-707
主要装備:
リグ: ICB-707、DJ-R20D(特小機)
電源: 乾電池
その他:折りたたみイス、食料、水、レインウェア 他
QSO局リスト  ひとつ前の運用記  TOP 


© Nagoya YK221


大菩薩運用