金糞岳

7月の3連休、最後の日に北陸ロールコール(キー局:きょうとKP127局(3エリア側)、いしかわAS36局(石川県側))が予定されており、久々にチェックインを狙ってプチ移動してみる。SVはもう、一週間後だ。
今回は、3エリア側のキー局KP127局が京都府宮津市由良ヶ岳から運用される。名古屋周辺からチェックインすることも考えたが、今回は確実性を期し、滋賀県長浜市(旧浅井町)・岐阜県揖斐川町(旧坂内村)との県境にある、金糞岳(正式名称:「きんぷんだけ」、一般には「かなくそだけ」1,317m)に登ってみる。

滋賀県側から鳥越峠のワインディングロードを快調に登っていく。峠の頂で車をおりると時折涼しげな風が通り過ぎる。ただ、淀んでしまったような蒸し暑さを、まだ押し流すほどの勢いはない。


3連休の割には、山歩きの途中にも、ハイカーには全く出会わない。前日の雨で下草が濡れたままの登山道から見晴らしの利く場所に出ると、厚い雲間から時々、日が差込み、その下には林道がくねくねと峠の頂へと向かっているのが目に入る。いかにも日本の峠の風景だ。

11:00、頂上に到着すると、家一件分くらいの広さがあると思われる広場?は、中央部こそ何もないが、周囲が壁のように背丈以上の笹や立ち木で覆われており、展望は殆ど利かない。雲間に少し広がった青空にアンテナを伸ばし、ICB-880Tのスイッチを入れると、沖縄移動のイワテB73/JR6局が入感してくる。各局が呼ばれているので、時間をおいてからお声掛けすることにする。(後でリアル板をみると、B73局はその後程なくして撤収されたよう。(笑))

ワッチしていると、海外の混信がかなりひどい。山頂の岐阜県よりに立って、ノイズの中の信号をつぶさに聞いていると、サイタマHK123/2局(愛知県日進市移動)のCQが入感してくる。コンディションが良いとき特有のノイズとQRMだ。RS52/52・・・信号自体はキッチリ聞こえてくるが、ノイズとカブリが多くHK123局側でも、信号を拾うのに少々苦労されているようだ。
なごやAD144局は、土岐市の三国山に移動されておりガツリと入感してくる。今日は新局さん?を連れての、アマチュアメインの運用らしい。


北陸RC
11:30、KP127局のアナウンスで、RCが始まった。CBは、最初は石川県側から、ということで、3エリア側は特小のチェックインから始めるようだ。R20Dをレジャー1Chにセットし、腕を伸ばしたり、横にしたり、歩き回ったりしながら、信号を探ってみるが、どうも山頂周辺の藪が邪魔なせいか、受からない。代わりに、山のふもとらしき業務局が入感してくるので、声を出すわけにもいかない。特小はそのままモニター状態にし、CBとともに、三角点の脇にのんびり座りながら、ワッチを続けることにする。

山頂に着いた時はそれでもまだ、雲間から青空も覗いていたが、すぐに日差しはなくなり、山特有の白いガスが勢い良く通り越していく。1,300mそこそこながら、まさしく、天然のクーラー状態で、時々空を仰ぎながら座っていると、ひんやりと心地よい風がTシャツをすり抜けていく。

CBチェックインを待つ

特小
周囲の藪が邪魔なのか、特小の入感はない。代わりにふもとの業務局が・・・。
枝の上でスタンバイ
時折白いガスがさーっと通り抜けていく。のんびりと座って待つ。

すばらしい変調音
12時、いよいよ3エリア側でCBのチェックインが始まる。KP127局の最初の一声(実際には二声目だが)でベストの入感ポイントを探してみるが、山頂のどこでも殆ど差はないようだ。KP127局はS3とは思えないほどガツンと入感してくる。今日使用されているリグはR5のようだが、声の質までよくわかる、見事な変調音だ。
(880TのAF再生音も中々すばらしく、この点に関しては87Rを凌いでいるように思われる。880Tを久しぶりに使うと良く分かる。シングルスーパーのシンセらしい再生音である。(シンセは受かるか受からないかの超微妙な限界信号に対しては不利だが...))

無事本日の任務を完了、引き続きRCを聞いていると、チェックインする各局が入感してくる。福井県池田町の部子山からはフクイZ136局が56で、福井市国見岳移動のフクイFB401局も52ながら力強く入感してくる。FB401局は、今年のGW一斉OADで、同じ国見岳から、当局移動地長野県飯田市のしらびそ高原に入感、コールしていたのが思い起こされる。残念ながらその時はQSOは成らなかったが、RCチェックイン後に、今回は1stということでQSOもさせていただく。

12:30を回っても、まだ、海外関係のノイズが多く、各チャンネルは、聞き取りづらい状況が続いていた。さっきから灰色の空は、雲行きが大分怪しくなってきた。CQを出してみると、京都府西京区からは、えひめCA34/3局にコールをいただく。7月はじめの与那国島運用では、運用タイミングが合わなかったようで残念ながらCA34局とはQSOならずだった。今日は京都特小レピーターのメンテに向かわれているようだ。

つばめは飛ぶ
そうこうしているうちに、いっそう雲行きも怪しくなってきた。こんなところで雨にやられても意味がないので、予定通りプチ運用に徹し、1310、早々と撤収を決め込む。
最後に、RCの開始時間を12:30と間違って深山(京都府南丹市)にやってこられた(笑)ヒョウゴAC315局とラグっていると、なにやら、か細い変調のブレークが聞こえてくる。オヤっと思ってよく聞いて見ると、愛知県稲沢方面の某アイチAE126局だった・・・いつも田んぼの中からピックアップありがとうございます(笑)。

AC315局は山頂(深山)周辺をつばめが飛んでいると言われていた。指摘されて気づいたが、良く見ると、こちらでも、灰色の空を背景に、すいすいとみごとな素早い動作で、つばめが山頂をかすめ飛んでいた。右に左に自由闊達に飛び回るその姿は、一生懸命えさを探しているのには違いないのだろうが、我々の存在とは違い、何の束縛もなく、いかにも気持ちよさげに飛んでいるように思えてならなかった。
                                   (’09/7)

運用データ
 鳥越峠頂上        峠の頂より琵琶湖方向
運用日:
  2009年7月20日(月、祝)

運用場所・時間:
  滋賀県長浜市・岐阜県揖斐川町境
  金糞岳山頂 (標高1,317m) 
     11:00~13:20
     
使用リグ:
  ICB-880T、DJ-R20D
  

QSO局
サイタマHK123/2局(愛知県日進市) 52/52  アイチDV65局(愛知県小牧市白山神社) 53/53
なごやAD144局(岐阜県土岐市三国山) 52/52  ふくいFB401/9局(福井県福井市国見岳) 52/52
ぎふT12局(岐阜県土岐市三国山) 52/53  ふくいZ136/9局(福井県池田町部子山) 56/57
きょうとKP127局(京都府宮津市由良ヶ岳) 53/53  えひめCA34/3局(京都府西京区) 51/52
アイチDI209局(三重県青山高原) 51/52  ヒョウゴAC315局(京都府南丹市深山) 52/52
ミエAA469/9局(福井県小浜市久須夜ヶ岳) 53/54  アイチAE126局(愛知県稲沢市) 41/41


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御岳山
 '09/07/20