久々の2エリアQRV

1月の3連休は今年初めて名古屋の自宅に帰るので(笑、8日(日)に移動をかけてみることにする。2エリアで移動するのは久しぶりだ。8日は六甲山から関西OAMも開催されるので、3エリア方面にもロケがいい、御在所岳から久方ぶりに運用してみることにする。朝、自宅から見える、藤原岳や御池岳は真っ白に雪化粧している。名古屋高速から見える伊吹山も真っ白なら、標高が低い養老山系まで雪を被っている。今年は例年よりかなり雪が多いようである。御在所には、ロープウェイで上がった山上に、ごく小規模ながら三重県唯一のスキー場もある。山上はマイナス6℃、積雪60cmとのこと。さすがに今日はかなり雪も積もっており、スキー場としても営業的にバッチリのようである。

山上にゴンドラで上がり、更にそこから一人乗り低速リフトで(笑、直線距離600mほど離れた山頂三角点に向かう。2エリア向けの運用だけなら、三角点までいく必要はないが、本日のメインはどちらというと3エリアである。

今日は、270D、87R、DPR-5、DJ-R20Dと、一応3バンド分を装備してみた。関西OAMは見通しの六甲山なので、チェックインは100mWの270Dで狙う予定である。CA34局の事前告知によると、開催は「1または3Ch」なので、うまく3Chで開催してくれると良いのだが・・・。
開始時間である10時にはまだ少し早いので、まずはDCRの呼び出しチャンネルで声を出してみる。DCRは固定でもワッチ局が多いので、情報収集などの連絡用には持って来いである。また、このような雪山では、防水であることと、アンテナも短いので取り回しも楽だ。

さっそく龍王山(奈良県天理市)移動のテンリMH784局よりコールが返ってくる。MH784局によると、関西OAMは既に始まっており、MH784局は既にチェックイン済みであるという。予定より遅れることの多い、各地のロールコールだが(笑、なんと時間より早く始まっているらしい。あわてて270DでCH1(27.040MHz)をチェックしてみると、いつもの歯切れの良いCA34局のオペが入感してくる。開催は3Chだったので、ラッキーだ。いつものように入感のベストポジションを探ろうとするのだが、少しでもウロウロすると、足が膝近くまでズボズボと雪に埋まってしまう(笑。下はチノパンに運動靴なので、全く雪山仕様ではない(爆。せいぜい動ける範囲は、リフト降り場から一等三角点に伸びた幅50センチほどの圧雪されたアクセス道と、ベンチの上程度である。それでも270DでS4振るところをキャッチ、1局スタンバイ後に、信号を送るとRS52が返ってくる。(TNX! CA34局) (後で87Rで確認するとS9)

CA34局によると、「イワテB73局も後から上がってこられるんですかね?」と言われる。???。どうやら、本日B73局がここ御在所から伊勢湾ロールコールをやられるらしい。うかつだったが、最近全く書き込みがないので「2エリアCBerの情報掲示板」を見落としていた。たしか前回は年末に行われた?と思っていたので(もちろん当局は東京にいたが)、伊勢湾ロールコールはまだまだと思い、全くノーチェックだった。当然伊勢湾RCにもダブルチェックインし、後でB73局がおられる2エリア側ポイントに移動してアイボールすることにする。

CBでは関西OAMが続行されているので、CB3ChをワッチしながらのDCRでの運用に切り替える。ミエZ3899局、ミエAA469局との交信を終え待機していると、やがて六甲山から、みやぎFS43局のオペによる、DCRでの関西OAMも入感してくる。27ChにQSY、アンテナ3本がほぼ点灯する、ほとんどフルスケでの入感だ。FS43局とは久しぶりのQSOだが、年明け早々ということもあり、デジ簡での交信はまた新鮮な思いだ。関西OAMは、DCRでも多数の局がチェックインされているようである。

左:登山者が増えてくると、うまい具合に周りを踏み固めてくれる(笑。

山上では雪が、ガスとともに時折ぱらついてくる。日が差してこないので、気温が上がってくる感じは全くしないが、風が弱い分寒さはまだましかも知れない。超手頃な雪山ということもあってか、山頂には下からの登山者が次から次へとやってくる。軽めのアイゼンをつけての訓練の一環だろうか?彼らはまだ運動しているからよいが、当局は三角点標識の前で、じっと無線機と対峙していた(笑。体感温度はマイナス10℃に近いかもしれないが、ベンチ上で横になっているトランシーバーの乾電池や、むき出しのリチウムイオン電池は全く問題なく動作している。

11時を過ぎてからは、海外の混信やノイズが、それまで以上に高まりつつあった。例によってロシア語お姉さんも元気だ。かなりF層の方はコンディションがよいようである。伊勢湾の鍋田沖には、アイチDI209局がマリタイムモービルで運用されており、8ChでCQが聞こえてくる。信号はS6程振ってくるのだが、時に海外のQRMが激しく覆いかぶさってくる。今年初めての二刀流(無線&釣り)運用のようだ。DCRでは、東名阪自動車道を走行中のなごやCE79局とつながる。モービル運用中だと時として信号が途切れたり入感が不安定になるのだが、信号には全くぶれがなく、QSO中常にフルスケールで入感してくる。非常に聞きやすい。とてもモービル移動中とは思えない信号だ。モービルのアンテナ等セッティングもFBなのだろう。

11:30頃にはB73局による伊勢湾ロールコールもいよいよ始まった。伊勢湾側に面したレーダーサイト脇の朝陽台から運用されているようだ。1ChのRC波は、アッテネーターが欲しいくらい、割れんばかりの音で入感してくる。12時を過ぎると伊勢湾RCチェックインのために移動されていた、2エリア各局が続々と入感し始める。日進市からはサイタマHK123局(平成展望台)、豊田市からはアイチAD301局(鞍ヶ池)、各務ヶ原からはアイチAE114局(金毘羅山)、岐阜市からはギフTY32局(金華山ドライブウェイ)など、おなじみの局長さんだ。相変わらず海外からのQRMノイズが激しいが、津島市からはアイチHD01局よりコールが入ってくる。HD01局とのQSOは超久しぶりだ。リグは引き続き87Hのへりカル機をお使いのようだが、御在所にはS9と強力に入感してくる。



午後に入ってからは、時折雲の切れ間から日も差し始める。天理市のMH784局と特小の単信も実験してみると、団子2つで全く問題なく信号が入ってくる。しかし、最近はDCRの音に聞きなれてしまったせいか、団子2つながら、R20Dの音が妙に貧弱に聞こえる(笑。AF出力が小さいこともあるが、やはりR20Dは性能のよいスピーカーマイクで運用したほうが良さそうである。

いよいよ、三角点での運用を終え、B73局のおられるであろう、朝陽台の方に向かってみることにする。しかし、CBが立て続けに入感していたことやMH784局との特小実験等で、気づけば時間は既に14時を回っている(笑。B73局はとっくにロールコールは終わっているはずなので、もしやそりゲレンデにいるかも?と、「低速リフト」乗車中にもそりゲレンデを探してみるが、子供づれの?B73局らしき姿は見えない。朝陽台でも探してみるが、やはり無線機を抱えたB73局は見当たらない(笑。時既に遅しか?それにしてもこの寒い中、なぜかやたらと観光客が多い。といっても、皆寒さに耐え切れず、滞在時間3分Max程度ですぐにロープウェイ駅舎に戻っていくのだが。ウルトラマンでもぎりぎり観光OKだが、4時間以上じっとしている当局は一体何者?(爆。
 
B73局が見当たらないので、仕方なしに?CBでCQを出してみるとミエAC129局から応答がある。事情を説明すると、「B73局とつながったらQSPしときますよ」、と言われている。その後当局もDCRでワッチに入ると、さっそくAC129局とB73局とつながったようだ。(TNX! AC129局) B73局は既にロープウェイのふもとまで下山されたとのこと。RC終了後に、DCRで当局にもかなり呼びかけられていたようだ。三角点でCBで運用中にバックグラウンドで、さかんに誰かしゃべっていたような気がするのだが、B73局だったのだろうか?(B73局、申し訳ありません)

左:三角点側からレーダー脇の朝陽台を望む。
右:朝陽台側から、三角点側(ゲレンデの頂点)を望む。朝陽台に移動して、B73局さんを探すが、既に撤収された後だった。


DCRシーン?: Are you a QRPer?

今日は結局終わってみると、CBでのQSO数よりDCRでのQSO数のほうが多いという結果になった。今日は雪こそ降っていなかったが、防水なので雪や雨の中でも気兼ねなしに運用できる点や、とり回しが非常に楽なことはDCRの大きなメリットであるように思われる。また、山岳移動局にとっては連絡用にも非常に便利だ。DCRの登場で、ライセンスフリーの運用スタイルが多様化したことや、運用局数が増加していることは、DCRのおかげかもしれない。

ただし、一口にライセンスフリー無線と言っても、いろいろな運用の志向性があるので、DCRについても当然いろいろな意見があり、また、そうであって然るべきである。当局の知り合いの局長さん(某局としておこう)などは、かなり手厳しいご意見の持ち主だ。DCRは一応買ったものの、CBの方がはるかに面白い、という。すなわち、「DCRは相互通話のできない携帯電話のようなもので無線機らしくない。10mWの特小でも300Kmは楽に飛んでいくのだから、出力5W/351MHzの電波がそれ以上飛んでいくのは当たり前。そもそもCBerの多くがアマ免許をもっているのだから、430や2mの5Wハンディ機を使うのと何が違うのか?」ということのようである(笑。・・・某局に言わせると、携帯電話で話をしているようで、面白くない、という。(確かに音は携帯電話に近いが、携帯のほうがよりhifiか?) 

アバウトな当局などは、楽しければどうでもよい、と思っているのだが、やはり某局のような真の?ライセンスフリーQRP志向派には向いていないのかもしれない。確かに5Wというのは、我々の世界では明らかにQRPではないし、351MHzの電波がEsに乗って九州から北海道まで届くこともあり得ない。つまり、届くか届かないか分からないが、思いがけず届いたときの意外性に喜びが依存するQRPerにとっては、永遠にメインリグたり得ない、というのは理解はできる。通常は不可能と考えられる場所と交信できたときの喜びがQRPerを支えているからだ。



それはそれとして、暑い日も寒い日も家の中からという、アウトドア派でない、固定局や、モービル移動中でも無線を楽しみたいというライセンスフリー派には、持って来いの無線システムではある。特にDCRは八木アンテナまで使えるので、固定や移動運用でも重宝する。また、実際そういった固定局を増やし、ライセンスフリー愛好家の幅を現在大いに広げつつあることは、明らかにDCRの功績であるのは間違いない。では同じく、出力制限も5W max、外部アンテナもつなげるパーソナル無線と比べてどうなのか?ということである。その某局に言わせると、パーソナル(PR)の方が面白いという。PRでは、何より「携帯チック」な音がせず、アナログのFM独特の「無線機」らしい音がする、という。DCRとは違い、PRはMCAなのでチャンネルは自分では選べないものの、無線機を「使っている」感触に浸れるのだという。まさしく五感で無線機を堪能するタイプか?(笑)当局にもその感覚は理解できる。また、PRの場合外付けアンテナは可能だが、ゲインは最大7.14dB(垂直面)で、水平面無指向性が要求される。したがって、八木は使えないのはもちろん、せいぜい使えるのは3段コリニア程度までである。PRについては、こういった制限があったことがむしろQRPerを惹きつけていたのかもしれない。(ちなみに、垂直面の指向性というのは、ほとんど効果を実感することはない。)

いずれにせよ、PRも2015年で打ち切りが決まったようなので、この無線システムがなくなってしまうのは非常に残念ではある。DCRについては、今後もますます普及していくのだろうが、果たしてその運用スタイルはどのように定着していくのか、楽しみである。

各局TNX!       ('12/1)





運用データ

  
■運用日時・運用場所:
 
三重県四日市市
 御在所岳 山頂三角点及び朝陽台 (標高約1,212m)
   2012年1月8日(日) 9:50~14:30 
    
■主要装備:
  CB
   ・ICB-87R (SONY)
   ・RJ-270D (National) (3、4Ch仕様100mW)
  DCR351(デジタル簡易無線)
   ・IC-DPR5 (ICOM)+1/2λホイップ (第一電波)
  特小
   ・DJ-R20D (ALINCO)
  

■電源

  ・Li-ion 7.4V/6.4Ah×1 (DCR)
        7.4V/1.8Ah×1 (DCRスペア)
        10.8V/1.6Ah×1 (87R)
   乾電池 (270D、87R、特小)        

QSO局
CB、DCR
(敬称略)
DCR=デジタル簡易無線、特単=特小単信、無印=CB100mW=当局CB100mW運用
1/8:御在所岳 
テンリMH784/奈良県天理市龍王山 (DCR) M5/M5 えひめCA34/兵庫県神戸市六甲山 (100mW) 54/52
ミエZ3899/三重県津市 (DCR) M5/M5 ミエAA469/三重県青山高原 (DCR) M5/M5
みやぎFS43/兵庫県神戸市六甲山 (DCR) M5/M5 ミエAC130/三重県四日市市 (DCR) M5/M5
オオサカJR728/大阪府箕面市 (DCR) M5/M5 ミエAC129/三重県四日市市 (DCR) M5/M5
イワテB73/三重県四日市市御在所岳 59+/59+
アイチDI209/MM/伊勢湾鍋田沖 56/56 なごやCE79/三重県東名阪M (DCR) M5/M5
えひめCA34/兵庫県神戸市六甲山 (DCR) M5/M5 アイチTM38/愛知県名古屋市緑区 (DCR) M5/M5
ならAI46/奈良県若草山 (DCR) M5/M5 サイタマHK123/愛知県日進市平成展望台 59+/59+
アイチAD301/愛知県豊田市鞍ヶ池 58/55 ギフTY290/愛知県小牧市白山峠 59+/57
アイチAE114/岐阜県各務ヶ原市金毘羅山 54/56 ギフTY32/岐阜県金華山ドライブウェイ 59+/59
アイチHD01/愛知県津島市 59/51 テンリMH784/奈良県天理市竜王山 57/53
テンリMH784/奈良県天理市竜王山 (特単) M5/M5 ミエAC129/三重県四日市市 59/56
イワテB73/三重県四日市市湯ノ山 (DCR) M5/ ヒョウゴTF246/三重県東名阪四日市ICサイド (DCR) M5/M5


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