2020運用記
赤面山(各オン)
福島県西郷村



[もう一つの秋色: 赤面山山頂より]





西郷村にて

山頂は風が吹き抜けている。いや、山頂を含めた山全体を風が吹き抜けている。息をするのも苦しいぐらいの台風並みの風だ。いったい、こんな状態でQRVできるのか?(笑。

今日の運用場所は、赤面山山頂だ。赤面山(あかづらやま、標高1,701m)は那須連峰に連なる、福島県側の山並の一角にあり、福島県西郷村(にしごうむら)に位置する。

この麓は、関東でスキーをやられていた方ならよくご存じであろう、赤面山スキー場(最終的には「白河高原スキー場」)があった場所だ。何の変哲もないスキー場だが、当局も一度は滑りに来たいと思っていたスキー場である。しかし、滑る機会のないまま、残念ながら2000年頃に閉鎖されてしまった。今では「兵どもが夢のあと」のごとく、ふもとのレストハウスが廃墟となって寂しい姿を晒している。そのレストハウス横を登山道は登っていくのだが、閉鎖後20年たった今でも、リフト乗降場の小屋はまだ姿かたちを留め、リフトの搬器はケーブルにぶら下がったままである。スノーマシンまで一台置き去りになっている。時間が止まったような、ある意味、わびしい光景だ。しかし、今ではスキー場のこんな光景は、日本中のあちこちで繰り広げられているに違いない。

話は逸れるが、そんな、今は閉鎖されてしまったゲレンデを、惜しむように紹介されているのが、当局がよく拝見する「急行野沢」さんのウェブサイト『追憶のゲレンデ』だ。実際に一つ一つ、閉鎖されたスキー場を踏破されて調査されているその詳細な内容は驚くばかりだ。そして、その感傷に浸らない、正確で研ぎ澄まされた眼差しが、むしろ透徹した、哀悼ともいえる哀愁を静かに滲ませているように思われる、実に見事なサイトだ。


秋の透明感

山頂は稜線上の登山道の一角だ。木もない吹きさらしの登山道は、北西からの風が容赦なく吹き付ける。体がもっていかれそうだ。体感温度も半端なく低い。

その代わり、丘の斜面は紅葉とはまた一味違った、独自の秋色の空気感を漂わせていた。流れ行く雲の下、その空気の速さと冷たさが、圧倒的な秋色の透明感で満ち溢れさせている。(=冒頭写真) 

この風と体感温度では、もちろん三角点運用は不可能。しかし、運よく?山頂標の裏側、南側の斜面の草むらに身を潜めてみると、うまく風が上空を通り抜けてくれるようだ。運用場所はここ一点しかない(笑。

リグを茂みの前にセット。それでもアンテナの上部三分の一は、通り抜けていく風に吹きつけられているようだが、なんとか運用は可能だ。

左: 山頂付近は木もなく、息もできないくらいの強さで風が吹き抜けていた。向こう側の標が赤面山頂。
中: 山頂より南方向。
右: 三角点向こう側の茂みで運用開始。強風は画面右から左へと吹き抜ける。

CQを飛ばしてみると、さっそくサイタマHN209局からの応答が、「待ってました」とばかりの勢いで入ってくる。なんと、佐渡島に移動されているらしい。SVならともかく、各オンでわざわざ佐渡島移動か????う~ん、佐渡島方向、アンテナの三分の二以上隠れているんですが・・・・。それでも52/52で、かつ信号は非常にクリアだ。

つくばA3局は、今日は筑波山からの運用だ。「A3局さんというと宝篋山のイメージが強いですが・・・」といった話をしていると、当局の高峰運用記もご覧になられたとのことで、「高峰でも運用しましたョ」、とのことだ(笑。一方的にイメージを形成してはいけない。



NTS115 秋冬モード

今日もリグは最近愛用しているNTS115だ。このコンパクトさ、やはり山に上がるには重宝する。

今年ゴールデンウイーク前に届いたNTS115、これまでは春夏モードのフロントガードハンドル・「ミキシングコンソール風仕様」だったが、今回は秋冬モード「無線機風仕様」だ。(「無線機風」といっても、最初から無線機ですが・・・(笑。) 秋冬モードは、シックな装いで、ハンドルもつまみも黒になる(笑。

NTS115の売れ行きは好調なようで、そろそろ第3次予約受付も終了か? AFのパフォーマンスだけは改善してほしいと思うのだが、それを除けば当局的には満足度の高いリグだ。着せ替え人形よろしく、つまみの変更等でかなり雰囲気が変わるリグでもある。

左: フロントガードハンドル・無線機風仕様(今回)。正確には無線機風仕様Ⅰで、実はⅡもある(笑。
右: フロントガードハンドル・ミキシングコンソール風仕様(写真は9月、秋オン時)。



一年前の各オンは、同じく那須連峰の一角、南月山(栃木県那須町)だった。南月山は回折三昧もあり、飛び受けが非常に良いロケで、いっぺんで気に入った場所だ。今回は同じ山域ながら7エリア側まで移動し、ここから関東平野、そしてあわよくば宮城方面も狙ってみようという悪だくみである。二本松市麓山移動のふくしまSP302局さんからのQSPでは、今日はみちのくロールコールが開催されるようで、7エリアの入感具合も確認できそうだ。

10時を過ぎると、キー局であるみやぎFW30局の声が入感してくる。仙台市泉ヶ岳からの運用のようだ。しばらく、一通りチェックイン局をチェック(笑。いよいよ当局も・・・、といきたいところだが、あいにく3Chは1エリア側でもずっと使われており、チェックインしようにもチェックインができない(笑。1と7の各局が普通に聞こえてくるという、境界山域ならではの、ぜいたくな悩みだ。それでも一発だけ、隙間を縫って呼び掛けてみるが、R/Cのパイルコールの中では、残念ながらつぶれてしまったようだ。

キー局が運用されている泉ヶ岳からの入感具合は、RS51で、昨年の南月山と同じくらいだ。南月山では北向きには不利なポジションからの運用だったが、それでも同じくらいということは、やはり南月山の飛び受けがそれだけ良いということか?もっとも、赤面山でも今日は北向きにはアンテナの三分の二以上は隠れているという状況ではある。

NTS115との比較の意味で、87Rでも並行ワッチしてみる。同様にアンテナは隠れた状態だ。入感度合いは全く同じだが、再生音という意味では、やはり87Rの音の方が断然「聞きやすい」(笑。

ロールコールを聞いていると、イワテAA169局さんもチェックインされてくるが、残念ながらこちらには入感なし・・・、さすがに岩手までは無理か??(笑。

山頂北側 
岩手は無理でも、赤面山も、南月山同様飛び受けは比較的良いようだ。実はロールコール開始前、9時過ぎには、宮城県利府町、番ヶ森移動のミヤギNE410局とつながっていた。NE410局によると標高は200m?ほどしかないらしいようだが、信号は52/52、福島県南端の西郷村とつながって少々おどろかれたようだ。

恥ずかしながら利府町という町は知らなかったので、QSO後に調べてみると仙台市の更に北東側のようである。ちなみに南月山からは更に北、岩手との県境である登米市まで飛んでいる。

昨年南月山からは新潟県小千谷市ともつながっていたが、新潟方面はどうなのか?一発目で佐渡島のHN209局とクリアにつながっていたが、その後ホロホロとCQを出していると、新潟県出雲崎のにいがたA431局からもコールをいただく。出雲崎市は基本、海岸沿いの町なので、それほど高い場所はないはずだ。やはり那須連峰は意外性のある飛び受けをするようではある。


KM117局さんが聞こえてきました

運用しているとついつい昨年の南月山との比較になってしまうわけだが、結局、ロケ比較という意味では最終的にはどうなのか?

東北(7エリア)向け及び0エリア向けには両者同等、関東(1エリア)向けには、南月山の勝ち、といったところか。これは地図を見れば、ロケ的にうなずける。撤収前、最後まで点けていたNTS115から聞きなれたお声が聞こえてくる。お~~、これは『一週間フレンズ。』のサイタマKM117局さん(笑)ではないか。しかもロケは去年と全く同じ、棒の峰(埼玉県飯能市)だ。去年とお互いほぼ同一のロケということになる。武甲山のサイタマUJ120局と交信されているのだが、チャンネルをお持ちでないのでこちらからはコールはできない。昨年の南月山では、すぐ近くにおられるのかと思うほど超強力だったが、赤面山ではSは1、2程度である。えらい違いだ。赤面山からだと、西側のロケに回り込むほど茶臼岳などの那須連山が逆に邪魔になると思われる。したがって、赤面山からは、奥武蔵方面はあまり得意ではないということになる。(QSOには問題ない)

結果的に最後のQSOとなったのは、いつも最初のQSOを飾っていただいている(笑)かながわCE47局さんだ。いつもの城山湖(神奈川県相模原市)である。TNX、CE47局!

今回は赤面山ということでかなり人里に近いところだが、さらに山奥の、福島と栃木~群馬の県境のあたりはまだまだQRVしてみたいロケがたくさんある場所だ。しかし、一生かかってもとても回り切れることはないだろう(笑。

28QSO、各局TNX!!

('20/11/7)




付録編: 追憶のゲレンデ?登山道は、旧ゲレンデ内を通過していく。

左: ゲレンデ中腹の第二ペア乗り場。 中: 第一クワッド⇒第二ペア連絡路。 右: ゲレンデ最上部付近より下界を望む。




運用データ


 ■運用日時・運用場所:

 
  ・2020年11月3日(火、祝日) 8:40~12:50 
      福島県西郷村赤面山 山頂 (標高1,701m)

 ■使用&装備リグ:
   CB : NTS115 (西無線研究所)
        ICB-87R (SONY)
 ■使用電源
   リチウムイオンポリマー電池11.1V/3.0Ah
   ・リチウムイオン電池10.8V/3.4Ah
   ・乾電池



QSO局
28QSO TNX!!  
(敬称略)

2020年11月3日(祝) 8:40~12:50 曇り 
サイタマHN209/新潟県佐渡市ドンデン山 52/52 フクシマTT244/福島県田村市片曽根山 54/55
ミヤギNE410/宮城県利府町番ヶ森山 52/52 つくばA3/茨城県筑波山中腹 55/55
ちばMR21/千葉県袖ケ浦海浜公園 51/52 イバラキLG125/茨城県土浦市 51/M5
はちおうじX25/東京都八王子市小仏城山 51/51 ふくしまSP302/福島県二本松市麓山 54/55
トチギTK325/栃木県那須町大丸園地駐車場  55/57  ミトBB501/茨城県水戸市楮川ダム  53/41 
ふくしまFB39/福島県会津若松市背炙り山公園  54/52  ふくしまDB72/福島県いわき市二大明神山  54/55 
コオリヤマTM621/福島県郡山市  51/52  フクシマYS950/福島県田村市移ヶ岳山頂手前  55/55 
サイタマCM167/福島県古殿町三株山  54/52  きょうとKP127/福島県田村市五十人山  52/51 
いばらきYK44/茨城県常陸太田市西山公園展望台  51/52  ミヤギKI529/栃木県大田原市御亭山  58/58 
つくばGT38/茨城県桜川市富谷山  53/53  チバYN515/茨城県筑波山男体山側  53/53 
いばらきVX7/茨城県筑波山子授け地蔵  51/53  トチギAZ525/栃木県那須塩原市  59/59 
あいちOT25/栃木県栃木市太平山  53/52  さいたまBB85/栃木県栃木市太平山  56/55 
にいがたA431/新潟県出雲崎市  51/51  サイタマKK007/茨城県筑波山子授け地蔵  51/52 
トウキョウAR705/東京都八王子市  51/51  かながわCE47/神奈川県相模原市城山湖  51/51 
       



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