[山頂から西方向。 少しだけツツジが残る]



変化する光の中で

昨年の各オンで赤久縄山に来た時、今度は御荷鉾山でも運用してみたいな、と思っていたのだが、実のところこんなに早く?実現するとは思っていなかった。GW一斉OADは実は別の山に移動しようと計画していたのだが、急に気が変わって御荷鉾山に変更したのである。まあ、時には気まぐれもいいものだ(笑。

朝、山頂まで登ってくると、まだ山ツツジ?が少し残っている。東からの朝日はまだコントラストが強く、赤紫の花の色を引き立てる。地面に落ちる木々の影はまだ長く、月はまだ西の空高くに白く残っている。山頂は南北方向が良く開けている。特に南側は視界を遮るものは全くなく、奥多摩の山々がパノラマチックに良く見える。それにしても4月からGWにかけて記録的な気温の高さを何日も記録してきた割には、今日は異様に空気が冷たい。上空には寒気が流れ込んでいるらしく、大気は非常に不安定だ。下の駐車場では5℃を下回っていたので、山頂はもう少し気温が低いに違いない。

 

しばらく山頂で景色を楽しんでいると、光の加減が目まぐるしく変化する。北から時折地面を乗り越えるように黒灰色のガスが勢いよく吹き抜けていく。辺りは雨でも降りだしそうな雰囲気だ。そうかと思うと、急激に日差しが下まで降りてきて新緑をさわやかに輝かせる。降りてくる日差しは、やはり5月特有の明るい日差しだ。しかし、風の冷たさだけは変わらない。

目まぐるしく変化する光の中、本日のメインリグSR-01を点けてみる。本日もフロントフェースガード仕様だ。

6:18分、OADの割にはバンド内は静かだ。今年もえひめCA34局さんが関東に遠征されているので、CA34局のことなのできっと早い時間につながるだろうなぁ、などと思いつつCQを飛ばしてみる。3年前のOADでも一発目はCA34局だった(笑。

今日最初につながったのは、ねりまTN39局だ。TN39局はよく横手山に移動されているが、今日も横手山移動のようだ。バンド内は静かだがワッチ中の待機局は結構おられるようで、次から次へとつながる。そして5局目、果たして、えひめCA34局よりコールが入ってくる。堂平山移動だが、まだ起きてあまり時間が経っていないということで、とりあえずお声がけということのようだ。それにしてもその「お声」がいつもと違う。どうやら風邪をひかれたようではある。

OADなので7Chを積極的に活用したいところだが、いつもの通り無変調風ノイズがS6くらい振れており全く使い物にならない。おまけに8Chも同じ信号にマスクされているようで、24KHzも離れているのに、ほとんど使い物にならない。ということは、今日は実質的に使えるチャンネル数は6チャンネルのみだ。

運用していればすぐに初夏の日差しで気温は上がってくるだろうと思いきや、いつまでたっても全く上がってこない。通り過ぎる風も思いっきり冷たいままだ。仕方なくダウンを羽織りながらの運用だが、おかげで冬に戻ったようで淹れたてのホットコーヒーが異様にうまい(笑。早くも4杯目に突入だ。

今日は山頂標識から20mぐらい離れた地面から運用している。そんなこともあってか、QSOしていてもSの上がりが今一つ渋い。
山頂標識の前にはベンチもあって、無線機を設置するには好都合なのだが、ここはハイカー用に空けておかねばならない。駐車場から30分もかからずに上がってこられるので、さぞかしハイカーでにぎわうだろうと思っていたのだが、結局のところ実際は9時を過ぎるまで誰一人やってこない(笑。


KM08局さん、八間山より

上州群馬県の北部、長野県との境の間際に、野反湖(のぞりこ)という湖がある。関東でも野反湖は意外と知られていない湖だ。当局も中高生の頃に一度行ったきりだが、長野の奥志賀ももう目と鼻の先であるこの辺りは、県境の山並みが連なり、ハイクをしてみたい山がいくつもある場所である。八間山(はちけんざん)もその一つだ。

八間山(標高1,934m)は昔の六合村、現中之条町に位置する。八間山からは以前あんなかKM08局さんがSVの時にQRVされており、その時の様子をブログで拝見して以来、当局もいつかそこへ行ってみたいと思っていた山である。

7:10分過ぎ、CQを出しているとあんなかKM08局よりコールがかかる。なんと八間山からではないか。すぐに当のKM08局のブログが頭によみがえる。今日も八間山かぁ~。しかし西御荷鉾山でこの空気の冷たさなので、八見山はさぞかし半端でないだろう・・・、すぐに運用状況の方が気にかかる。実際、話をお聞きしていると、寒さでかなり運用には手こずられているようだ。

KM08 局はこれまでも何回か書いている通り、すべてのQSOが非常に印象深く刻み込まれている局長さんだ。前回のQSOは昨年南大東島から運用した際、小浅間山のKM08局とつながったのが最後だ。今日は八間山からの運用ということで、当局がブログで拝見していたということもあり、八間山での運用の話や、昨年の南大東島からのQSO、そして赤久縄山からの運用のことなどで話が弾む(笑。昨年当局が各オンで運用した二週間後ぐらいに、KM08局もたまたま赤久縄山から運用されているのである。タイミング的に次回つながるとすれば、当局の南の島からの運用だ。再びその時お空でお会いしましょうということで交信を終える。

そう、実際今年も、南の島からの運用は現在計画中だ(笑。果たしてつながるのか???これはまたその時の楽しみである。


両神山
その特異な山容は一目瞭然だ。
SR-01 on 地面
10:30を過ぎると、ようやく安定して光が地面まで届き始める。
5月の光
ようやくダウンが脱げます!(笑。




久々にTX-830を・・・

西御荷鉾山の飛び受けはどうなのか?西御荷鉾山と東御荷鉾山はラクダのこぶのように、ぴょこんぴょこんと二つ空中に突き出た外観が特徴的だ。都心方面から関越自動車道・上信越道経由、長野方面に向かう時などは、この特徴的な外見が本庄・児玉のあたりから吉井のあたりまで、ずっと左手に見え続ける。つまり見方によっては、山の峰がアンテナのように空に向かっているのである。ということで外見的には飛びそうな気はする(笑。実際のところはどうか・・・西方向は0エリア美ヶ原のながのDC16局から54で入感してくる。北は福島県二本松市の麓山からふくしまFD55局が、南方向は三浦半島の葉山や房総半島の鴨川から聞こえてくる。神奈川や東京の地面とも問題なくつながる。標高が200m以上高い赤久縄山と比較すると、S的には若干赤久縄山の方が上回るようだが、QSO上はたいして差はないようだ。聞こえてくる範囲は、ほぼ赤久縄山と一緒だ。

今日は有間峠(埼玉県飯能市・秩父市境)にサイタマAD966局さんがQRVされている。その南、東京都側に入ったところには日向沢ノ峰(ひなたざわのみね)という山がある。日向沢ノ峰(標高1,356m)はどちらかと言うと、そこを目指して登る山というより、川苔山や蕎麦粒山への通り道といった位置づけの山だ。通常、奥多摩側から登るのが普通だが、当局が時々運用する黒山のほうから棒の峰を経由しても到達することができるし、有間峠側からは比較的楽に行き着ける場所でもある。どちらから登られたのかは不明だが、今日は日向沢ノ峰にはサイタマMS118局がQRVされており、先ほどから6ChでFBにQSOを続けられている。

今日は運用開始以来、6Chの様子をずっとうかがっていたのだが、これは久しぶりに三菱のTX-830を運用するためだ。このリグを運用したのは、確か2014年の各オン、長野県の黒川牧場から運用したのが最後だ。といっても、その時はロケがロケだけにつながる相手もおらず、TX-830としては坊主に終わってしまった。今回は久しぶりにこのリグに交信させてあげようという魂胆だ。なにせ製造は50年前のリグ、久々にQSO相手が欲しいに違いない(笑。

TX-830の裏面。
製造は51年前(笑。


TX-830は50年前のリグだが、メタルケースで非常にしっかり造られたリグだ。(正確には51年前に製造されたもの) 「三菱」というと最近ろくな評判を聞かない場合が多いが、外見から察するに非常にまじめに造られたリグだ。もちろんここまで全くノーメンテで来ている。

よく考えてみると、「三菱電機」製のCBトランシーバーというのは、かなり珍しいような気がする。少なくとも、もう現役で使われている姿は普通見ることはないだろう。リグとしては、スピーカーがマイク代わりのスピーカー変調、チャンネルは6Chの1チャンネルのみの100mWのリグである。Sメーターはない。NECのNTR-808などと同様、回転式のボリュームが電源スイッチを兼ねるという構造である。10年位前にこのリグでQSOした記憶があるが、果たして製造から50年の時を経て無事つながるのか?MS118局の交信を聞きながら、しばらく様子を窺ってみる。無論受信は全く問題ない。SR-01と比較しても普通に聞いている分には特に差異は感じない。

MS118局がひと段落ついたところで、いよいよコールをかけてみる。・・・全く普通に応答が返ってくる。特に確認したわけではないが、交信の様子からは変調も飛びも全く普通で、Fずれも全く問題ないようである。QSOの最後に「50年前のTX-830から、100mW送信です」とMS118局に告げると、むしろ驚いた様子である。MS118局は聴感上はこちらにRS56での入感だ。これはSR-01でのS6と同じ値である。向こうへはRS53。S3分のエネルギーの違いは、まさしく500mWと100mWの違いと想定すると、極めてまともに動いていると推定できる。

先日、数年間海を漂流していたとみられるデジカメが台湾の海岸で拾われ、中を確認してみるときっちりとダイビング中の写真などの記録が残されており、しかも拾い主からのネット上のツイートの連鎖で、ほどなくしてなくした持ち主がみつかった、ということが新聞で話題になった。おそらく、このニュースの核心は二つあり、一つはネット上のツイートという情報の拡散を経由して、全く不明の持ち主がすぐに見つかったという極めて現代的な事象であるということと、もう一つはもちろん、何年も過酷な環境の海上を漂流していた精密機器がその後も正常に動作した、という驚きだ。

このコンパクトデジタルカメラは撮影用の防水ケースに入れられたまま、海を漂い、発見されたときは貝殻や藻がたくさんケース一面に付着するなど、一見するとデジカメなのだがなんだかわからない物体の状態だった。このカメラは日本人が石垣島でなくしたもので、それが数年を経て台湾に漂着したものである。この日本製のデジカメがどこのメーカーのものであるは、関心ある方は調べられるとして(当局は知っているが(笑)、さすがは「日本製」と改めて感じた瞬間ではある。電子産業は凋落しても、クオリティーを守る文化だけは凋落してほしくないものである。TX-830はそんな向上心と気概にあふれていた時に造られたリグであろうことは確かだ。

51QSO TNX!!             ('18/5)







運用データ

■運用日時・運用場所:
 
 ・2018年5月4日(日) 6:18~12:40 
  ・群馬県神流町西御荷鉾山山頂(標高1,287m)
  

■使用&装備リグ:
  CB : SR-01(サイエンテックス)、TX-830(三菱電機)、
       ICB-87R(SONY)
  特小:DJ-R20D(アルインコ)
  DCR: IC-DPR5(ICOM)+1/4λホイップ
  
■使用電源
  リチウムイオン電池10.8V/1.6Ah×2ほか


QSO局
51QSO TNX!!  
(敬称略)

5月4日(金、祝) 6:18~12:40  
ねりまTN39/群馬県横手山 57/59 サイタマAD966/埼玉県飯能市有間峠 55/56
とうきょうSS44/ 54/54 サイタマMK129/埼玉県鳩山町 53/54
えひめCA34/埼玉県ときがわ町堂平山 58/M5 ちばMR21/千葉県袖ケ浦市海浜公園 53/55
ぐんまXT59/埼玉県ときがわ町堂平山 57/55 せたがやR28/山梨県大菩薩嶺 56/57
イタバシMK420/東京都足立区舎人公園 53/52  あんなかKM08/群馬県中之条町八間山  58/59+ 
サイタマOM321/埼玉県行田市運動公園  56/58  よこはまMK71/神奈川県川崎市生田緑地  52/55 
サイタマUJ120/埼玉県ときがわ町堂平山  59/59  オカヤマDR621/茨城県霞ケ浦  51/52 
トチギAC427/栃木県足利市大坊山  57/56  ぐんまAD17/埼玉県ときがわ町堂平山  58/59 
ねりまCX72/埼玉県川島町  55/57  ふくしまFD55/福島県二本松市麓山  51/51 
カワサキKG403/神奈川県葉山町  53/51  サイタマHN209/埼玉県ときがわ町堂平山(特小)  M5/M5 
さいたまCC110/群馬県赤城山(特小)  M5/M5  さいたまKS73/埼玉県加須市 53/53 
ながのDC16/長野県美ヶ原  54/55  トウキョウMH160/東京都瑞穂町六道山  53/54 
トチギCR428/栃木県大田原市御亭山  55/55  トウキョウYU815/埼玉県寄居町中間平  55/56 
うらわRG38/埼玉県さいたま市桜区荒川河川敷  54/52  サイタマMS118/埼玉県飯能市日向沢ノうら  M5/53* 
しずおかDD23/山梨県富士吉田市富士山五合目  58/57  とうきょうMS82/荒川河川敷  53/M5 
つくばA3/茨城県つくば市宝篋山 56/58  チバAT357/千葉県富津市みなと公園 53/53 
イバラキRA136/千葉県鹿野山  53/54  サイタマST165/茨城県筑波山子授け地蔵  56/56 
サイタマUG100/埼玉県所沢市  53/53  グンマFX170/群馬県神流町赤久縄山  59+/59+ 
さいたまBB85/埼玉県加須市  53/55  にいがたA431/  41/52 
グンマHY730/群馬県高崎市牛伏山  58/58  グンマFX170/群馬県神流町赤久縄山(特小)  M5/M5 
あんなかKM08/群馬県中之条町八間山(特小)  M5/M5  ねりまTN39/群馬県横手山(特小)  M5/M5 
サイタマHK118/埼玉県春日部市  55/56  サイタマCM167/茨城県古河市  51/52 
しずおか103/山梨県富士吉田市富士山五合目  56/56  サイタマYB101/埼玉県吉見町  53/52 
サイタマAT029/東京都荒川河川敷  41/52  グンマHS711/埼玉県児玉郡城峯山  59/59 
サイタマAB960/埼玉県吉見町  55/53  イチカワAB113/千葉県富津市  51/53 
サイタマUJ120/埼玉県丸山(特小)  M5/M5    
*100mW送信。


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西御荷鉾山(GW一斉OAD)
群馬県神流町