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[花咲線]




道内近距離Es


土曜の朝は霧多布から始まる。朝5時半、岬はまだ深い霧に包まれている。なぜこんな時間にここにいるのかと言えば、霧に包まれた霧多布岬(湯沸岬)灯台の写真を撮りたかったからである。陽が上がってくると霧は晴れてしまうのである。ただし、容易に想像できるように、霧多布ということばはアイヌ語からきており、本来霧とは全く無関係である。

昨年のテレビドラマ『逃げ恥』で、益々人気を高めた新垣結衣さん。2012年の運用記でも触れたように、映画『ハナミズキ』(2010年公開)では新垣さんが高校生姿で登場する。湯沸岬(霧多布岬)灯台では、映画でこそ可能になる、普段は立ち入ることのできないこの灯台のデッキに立つのである。時は夕暮れ時、恋人役である生田斗真さんと二人寄り添う。霧にむせぶ当局の写真などよりはるかにそのシーンの方が美しい(笑。

霧多布ではアゼチ岬でもQRVを試みるが、今日も静かなままだ。ここは景色といい、雰囲気といい、QRVしていても本当に気持ちが良い場所で、いつまで居てもいいくらいだが、SR-01には、待てど暮らせど入感はない。更に転戦を続行する。

 アゼチ岬  アゼチ岬


愛冠岬(あいかっぷみさき)は厚岸町にある岬だ。駐車場でとりあえず87Rを取り出してみる。11時前、相変わらずコンディションは静かだ。念のためCQを飛ばしてみると、なんと(笑)応答があるではないか。信号は52、明らかにグランドウェーブの聞こえ方だ。コールいただいたのは、くしろG73局、浜中町からだ。霧多布がある浜中町は当局がさっきまで居た場所である(笑。距離は直線で20~30㎞位だろうが、よくここまでGWで飛んでくるものである。G73局は、午後からCM、明日のSVも出られるのは午前中くらいだと言われる。北海道に来てから何せ2局目のQSOなので、とにかくつながっただけでもうれしい。

岬まで来てみると、エゾシカが3頭近くに寄ってきてこちらを見ながらしきりに草を?食んでいる。よそ者はむしろ当局のようで、何しに来たのか興味津々のようだ。岬の断崖の下からは波の崩れる音も静かに聞こている。

鹿にワッチされながらワッチしていると(笑、道内の近距離Esで稚内移動のイワテB73局がふわりと入感してくる。しばらくすると、お子さんのイワテC9局のCQも飛んでくる。両局ともしっかりQSBがかかっているので確かにEsだ(笑。道内で近距離Esができるというのは全く予想外で、当然ながら初体験だ。もっとも後で調べてみると、同じ道内とは言え距離は370㎞ほどあるようで、果たして近距離と言えるのかどうか・・・。370㎞という距離は、東京と奈良の距離に等しいのである。しかし、陸続きの同じ都道府県内でEsができるというのは、間違いなく北海道を除いてあり得ないだろうから、これはこれで面白いQSOだ。



突然聞こえてきましたが~

  花咲線   花咲港


夕方からは根室の花咲港岸壁に陣取ってみる。30分以上ワッチしていても何にも聞こえてこないのでCQも出さず黙っていたのだが、ふと気づくと、どうもなんとなく怪しい。よ~く聞いてみると、ますます怪しい(笑)。騙されてはいけない(爆。念のためCQを出してみると、四日市のミエAA469局からすぐさま応答がある。RS55/55、あの静けさからは想像がつかないほど強力だ。「なんか、突然聞こえてきましたね~」と言われるAA469局だが、それはこちらの言いたいセリフでもある(笑。そう、騙されてはいけない。同じく四日市港のミエAC130局とも54/55と余裕のQSOだ。

沖縄でEsをやるときは、コンディションはウワァ~と上がってきて、嵐のように過ぎ去っていくのだが、本州や北海道でやるEsはそんなことはない。沖縄は上がってくるとノイズまみれになる反面、上がり目や下がり目がつかみやすいのだが、少なくとも今日の花咲港は、全くつかみどころのないコンディションで気まぐれだ。きょうとON36 局とは普通につながるが、他の局からは全く呼ばれないところを見ると、どうも場所を選んで落ちているようである。8エリアに来てから初めてしずおかDD23局ともつながるが、かろうじて41/51だ。いつも交信一番乗りのDD23局が、ずっと粘っていたにもかかわらずである。果たして明日のSV本番のコンディションはあがってくれるのだろうか??

花咲港にて




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