9 10 D 



[北大東島: 右上方に見えるのは北大東空港]



7年ぶりと未踏の地

那覇を飛び立って一時間、琉球エアコミューターのDHC-8は南大東島の西端にさしかかった。飛行機は一旦、目的地である南大東空港上空を西から東へ通過、左旋回して北大東島へ向かう。今度は北大東島を巻くように右旋回、ティアドロップ式に南大東空港に進入していく。

飛行機が高度を下げていくと、一段と海が青い。まるで青い絨毯のようだ。この別次元の青さに早くも心は惹かれる。前回も記したように、この海の青色は人工的には再現不可能のように思える。

当然ながら、使用滑走路はランウェイ20。滑走路に滑り込んで、プロペラのピッチ音が甲高く変わると南大東空港に到着だ。滑走路に誘導路はない。滑走路上でUターンして駐機場に向かう。空は快晴だ。

今年の沖縄運用は、北大東島&南大東島だ。大東諸島で運用するのは2010年以来、7年ぶり。7年前は、南大東島のみの運用だったが、今回は当局にとっては未踏の地、北大東島でも丸二日間運用予定である。大東諸島は、北大東島、南大東島、沖大東島の三つから成る諸島で、那覇からは直線で、真東に約360㎞離れた距離にある。360㎞というのは、東京からたとえると西へは京都、北へは山形県の酒田市とほぼ同じ距離である。近隣には他に島はないので、まさしく太平洋の絶海の孤島である。三島のうち、沖大東島は基本的に私有地なので立ち入ることはできない。内地の各局には、二島でのQRVということで勘弁していただこう(笑。

北大東島は特に、毎日直行便が飛んでいるわけではないので、特にサラリーマンにとっては行きずらい場所である。もっとも、南大東島を経由すれば、「毎日」いけないことはないのである。このフライトスケジュールを逆手に取り、まず初日(木曜日)は、午前の便で南大東島に渡り短時間QRV、そして夕方の便で南大東島から北大東島に渡る目論見だ。そして土曜の夕方に北大東島から南大東島に戻り、月曜日に那覇に戻るというのが今回の運用計画の全容だ。

梅雨前線もやや北に上がり、昨日までぐずついていた天気も今日からは晴れ上がるようだ。
7年ぶりの大東島運用、果たして電波はどんな飛び受けをするのか?


 
左: 目的地の南大東島にさしかかると、一旦南大東空港上空を通過。
中: 飛行機は北大東島を巻くように旋回する。手前に北大東島、向こう側に南大東島が見える。青い絨毯に浮かんでいるように見える。普段から飛行機を利用している島民にとっては普通の光景なのかもしれないが、当局にとっては二つの島を同時にとらえることができた珍しいチャンスである。
右: 南大東空港に到着したDHC-8-Q100。-Q100は今年で引退、今後は新鋭機、-Q400のみの運航となるようだ。
 
 




次ページ     

(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


© Nagoya YK221

 2017沖