2016運用記
大丸山
神奈川県横浜市



[報国寺: 雲間から朝日が地面に落ちる]


椿落つる庭

果たして・・・。今年は菜の花だった。

毎年バカの一つ覚えで敢行している「鎌倉」運用。・・・正確には「鎌倉近辺」運用だが。今年で5年目になる。

今年も昨年同様、報国寺のお参りと石窯ガーデンテラスでのケーキセットを先に済ませ、そのあとで運用に回るという目論見だ。いつもマイナーな場所狙いを信条とする当局としては、今回も大平山というわけにはいかない。ということで、今年は「横浜自然観察の森」の東側に位置する「大丸山」(おおまるやま)でのQRVだ。山といってもこのあたりに高い山などあるはずもなく、丘に毛の生えたようなものだが、一応は標高157m近くあり、横浜の「最高峰」である。横浜の「最高地点」は昨年記している通り、鎌倉市境の大平山山頂近辺だが、「最高峰」となると、この大丸山ということになる。場所的には大平山から尾根伝いに東側へ歩いて40分程度の距離である。大平山近辺からは相模湾が望めるが、大丸山は東が開けており東京湾が遠望できる。

報国寺には朝9時の開門と同時に入門、もうシンとした朝とは言えないほどの遅い時間だが、境内には独特の静けさが漂う。いつもの石仏には今年は菜の花が供えてあるようだ。開門を待っていたのは当局だけではなく、同年代のオッサンと、2人連れの中学生、3人連れの高校生ぐらいのグループもある。何をしてこんな時間に彼ら(中高生グループ)をこの寺へと足を運ばしめるのか???そこは不思議なところだが、答えはすぐには見つからない。頼まれて、竹林の庭でスマホで記念写真を撮ってあげると、高校生グループはお礼を残して機嫌よく立ち去って行った。やはり、これは日本人のDNAなのだろうか?(笑。

確かに竹林の庭は心を鎮めてくれるが、別に広いわけでもなければ、ほかに何か特別すごいものがあるというわけでもない。禅寺であることが、基調としてそうした雰囲気を醸し出すのだろうか。それが日本人の中高生には何らかのかたちで通ずるということなのかもしれない。

一輪二輪と椿が散る地面に、時折朝日が差し込んでいた。


 
   報国寺静かな佇まい



大平山から大丸山へ

石窯ガーデンテラスや浄妙寺がある浄明寺地区から大丸山へは、いろいろ行き方はあるが、瑞泉寺から「鎌倉アルプス」を登り、天園経由のハイキングコースで回り込んでみる。天園は大平山のある場所だ。山道は比較的高い場所を通るので、DCRをワッチしながら歩くためである。

鎌倉アルプスの途中でDCRをオン、いつでもCQに応答できる体制だが、今日は全くCQが飛んでこない。それほどロケがいいわけではないので、ある意味仕方ないのだが、それにしても、いつも賑やかなDCRらしさは全くない。途中見晴らしの良い場所ではこちらからCQも出してみるが、応答は皆無だ。天気もパッとしないので、移動局が少なそうなのは事実だが、DCRなら固定局がいてもよさそうなのだが・・・。そうこうするうち大丸山に到着、ちょうどお昼時とあって山頂広場は人でいっぱいだ。ベンチがすべて埋まっている。とりあえずは、フェンス片隅に陣取ってウォッチを開始、ハイカーの邪魔にならぬよう久々のイヤホン運用である。

チャンネル内は静かだ。いい意味で、これほど静かなのは久しぶりである。海外局もほとんど全く聞こえてこない。ダイナミックレンジは広く、8ChでのSメータは全く振れない。場所的にも人工ノイズが少ないようだ。このロケでQRVするのは初めてだが、ノイズ的にはなかなかよさげな場所である。7Chのみ信号系の無変調ノイズがS2程度でかぶってくるくらいだ。

テーブルが一つ、空くのを待って、707を展開する。最初に聞こえてきたのはヨコハマKZ123局だ。KZ123局とは、たまたまかもしれないが、いつも「鎌倉」運用の際にはつなげていただいている。脳内ログによれば、3年連続でのQSOということになる。今日は横浜市神奈川区から運用を開始されたところらしい。緑区からは、ヨコハマAA815局のCQも飛んでくる。天気はどんよりとパッとしないので、両局とも、でんと腰をすえて運用するために出て来られたというより、今日はどちらかというと「ちょこっと運用」のタイプらしい。太陽は全く雲に覆われているが、その輪郭だけは捉えることができる。薄ら、陽は差していることは差しているのである。それでも空気は冷たい。風が殆ど無いのが救いだ。これでは長いこと運用したいと思う気持ちも余り起こらないのも無理はない。

   大平山&大丸山  
 
 
  左  : 大平山天園峠の茶屋入口の横にある横浜市最高地点の看板。
中左: 大平山山頂にあるFM鎌倉の送信アンテナ。写真右手が峠の茶屋の敷地だ。
中右: 大平山から大丸山へはこのような尾根道が続く。
右  : 同じ場所から左手(西北側)を写したもの。DCRに応答があってもよさそうなロケだが、応答は皆無だ。
 
 
 
  左  こちらは横浜市最高峰。最高峰と最高地点、少々紛らわしいが、議論するほどの高さではありません(笑。
中左: 昼時は山頂のベンチはハイカーで一杯。
中右: 東京湾とシーパラ(八景島シーパラダイス)が見える。
 


冬の運用

基本的に静かなバンド内だが、6Chでは違法局と思しき会話がS7~S9で、先ほどから安定して(笑)聞え始めている。3Ch近辺にも元気な違法局がいるようで、信号がかすってくる。

山頂広場はお昼を過ぎて時間が経つと、一時の賑やかさがうそのように静かになる。一人だけの時間が過ぎていく。ほんの時たま、トレイルランのランナーやハイカーが2、3人やってくる程度である。当局はいつも5~6時間、殆ど突っ立ったままという運用スタイルだが、今日は珍しくテーブルの上での運用なので殆ど座ったままだ。それだけに、目の前の空っぽのベンチやテーブルに一層、冬のさびしさが感じられる。

湘南平にはカナガワAC288局が出られている。AC288局とは久々のQSOだ。掲示板等でも最近余りコールサインを見かけていないような気もする。最近お仕事が忙しく、余り運用している時間を取ることができないようだ。AC288局によると、冬こそロケの良さを見分けるのに好都合なのだそうだ。もちろんEs(もしくは電離層反射)の話である。つまり、夏の間は下手なロケでもEsでつながってしまうので、余りロケの粗がでないのだが、冬はそう簡単にはつながらないので、冬こそロケの良し悪しが判断できるのだ、というのである。これには全くの同感である。AC288局は夏のEsシーズンに向かって、冬の間によいロケを探されるのだという。毎年Esでたくさんの局と交信される局としてあまりに有名なAC288局さんだが、こうした不断の努力が多くのEs QSOを成功させる土台になっているのかもしれない。

こういう日なので、DCRの方はつながるのはほとんどが固定局だ。移動局は飯能市多峯主山のアイチOT25局くらいか?むしろこういう日にCBの移動局とつながる事自体の方がラッキーなのかもしれない。散歩やウォーキングがてらの局長さんとつながるというのも、おそらく東京近郊ならではのことだろう。大楠山からはカナガワME87局、東京のお台場からはトウキョウOT173局のCQも飛んでくる。両局ともウォーキング中らしい。
特にOT173局は、レインボーブリッジ経由でお台場まで足を延ばされているらしい。

今日は、結局日差しらしい日差しがわずかながらでもさしていたのは、朝の報国寺ぐらいだ。午後も3時を過ぎると、心なしか急速に空気の冷たさが増してくる。いったい今年は暖冬になるなんて、誰が言ったのだろう?(笑

手袋で握りしめたDCRでCQを試みると、町田市移動のトウキョウAA909局より応答がある。AA909局は、もう撤収されるところらしい。もう4時過ぎ、当局も予定通り、これが最後のQSOだ。

今晩も、雪がちらつきそうな気配だ・・・。


各局TNX!!
                                               ('16/2)




運用データ

■運用日時・運用場所:
 
 ・2016年2月6日(土) 12:30~16:15 
  ・横浜市金沢区 大丸山(標高約156.8m)
  

■使用&装備リグ:
  CB : ICB-707(SONY)
  DCR: IC-DPR5(ICOM)+1/4λホイップ
  
■使用電源
  リチウムイオン電池10.8V/2.6Ahほか


本日の石窯ガーデンテラス
今日はカプチーノ&オペラ。オペラは浄妙寺で獲れた夏蜜柑入りだそうだ。まぁ、夏蜜柑はどこでも獲れますが。


QSO局
14QSO TNX!!  
(敬称略)

2月6日(土) 12:30~16:15  
ヨコハマKZ123/横浜市神奈川区菅田町キャベツ畑 51/51 ヨコハマAA815/横浜市緑区ご飯塚 52/52
カナガワAC288/平塚市湘南平(山頂) 57/59 ヨコハマFUR98/横浜市保土ヶ谷区固定(DCR) M5/M5
かながわME87/横須賀市大楠山 52/55 あいちOT25/埼玉県飯能市多峯主山(DCR) M5/M5
よこはまTH90/横浜市都筑区固定(DCR) M5/M5 ヨコハマYH175/横浜市鶴見区固定(DCR) M5/M5
ヨコハマTK301/横浜市中区固定(DCR)  M5/M5  フジサワOR650/藤沢市固定(DCR)  FS/FS 
カナガワSS702/川崎市多摩区生田緑地(DCR)  M4/M4?  トウキョウOT173/東京都第3台場  53/51 
ナガノOK814/千葉県浦安市  52/53 トウキョウAA909/東京都町田市(DCR)  M5/M5 



ひとつ前の運用記 次の運用記  HOME


© Nagoya YK221