2014運用記
逗子(大崎公園)
神奈川県逗子市



[大崎公園]



もう一年?

『北鎌倉の六国見山で運用したのは、ちょうど1年前である。「ジャスト1年」を狙ってきたわけではないが・・・』、と書いたのは、ちょうど一年前である。つまりちょうど一年ずつ、3度目の鎌倉運用ということになる。今回に限っては「ちょうど一年」を狙って移動してみる(笑。例年なら日曜日の運用だが、今回は天気が悪そうなので、今年は土曜日の移動だ。鎌倉での移動運用はシリーズ化しつつあるのでなんとなく一年に一度は来ないと落ち着かないし(笑、なんといっても報国寺の石仏やら浄妙寺の石窯ガーデンテラスが気になる。果たして報国寺の石仏には今年も違った花が供えてあるのか?

今年のQRVポイントは厳密には鎌倉ではなく、逗子市の大崎公園である。逗子市といっても逗子マリーナのすぐ近く、逗子市ではもっとも西よりで鎌倉に近く、材木座海岸からもすぐの場所である。昨年QRVした衣張山より南へ3キロ弱ずれた場所だ。海に丘陵が突き出た岬といった感じで、標高は76mほどしかないのでとても無線向きの場所ではない。Es狙いでもないのに、はたしてこんな場所からどれだけQSOできるというのか?(笑。スケジュールとしては、大崎公園での運用→報国寺でのお抹茶→石窯ガーデンテラス(浄妙寺)でのケーキセット、と完璧だ(笑。例年通り、報国寺と浄妙寺がついてくる。



報国寺

 2012年2月5日(日)  2013年2月3日(日)



陽だまりの彼女

ジャングルジムとブランコがある、見晴らしの良いとある公園で、「真緒」と「浩介」が中学時代と、そして大人になってから最後のお別れのキスをする。映画版「陽だまりの彼女」(2013年10月公開)の話だ。「陽だまりの彼女」(越谷オサム著)は、「女子が男子に読んでほしい恋愛小説№.1」との触れ込みだ。映画では、小説とは異なり藤沢や江ノ島など、湘南を舞台に展開される。『南藤沢中学校』時代の幼馴染である真緒と浩介は、一度離れ離れになるものの大人になってから偶然再会し、やがて結婚を意識し始める。再会した時に「偶然なんてないよ。」と意味深長に、諭すように浩介に言う真緒。二人はめでたく結ばれ、幸せな時が流れ始めるが、彼女(真緒)には重大な秘密が隠されていた・・・。やがて最後の一日というタイムリミットが、二人が作った幸福な時間のサークルを閉じさせようとする。「私、いい奥さんだった?」と最後に過去形で問いかける真緒・・・。

真緒と浩介を演ずるのはそれぞれ上野樹里と松本潤だ。天然系とも言われる上野樹里だが、すっかり役に嵌って持ち味を出している。『今日の日(=最後の日)が長いといいねえ』とつぶやく江ノ島の「実家」のおばあちゃん役の夏木マリも好演している。真緒が熱いコーヒーをすぐに飲めなかったり、水族館の魚を見ておいしそうと言ったり、水槽の金魚がいなくなったりと、真緒の秘密にかかわる伏線もあちこちにちりばめられる。

映画をご覧になっていない方のための楽しみとして、ストーリーには触れないが、中学時代の真緒と浩介が始めてキスをし、そして最後の別れにキスをしてサークルが閉じられる、一つの鍵となる場所がとある公園の空間だ。向こうに江ノ島や稲村ガ崎が見える景色の良い場所にあるジャングルジムやブランコで二人は語り合う。

その場所とは、現実の世界ではこの大崎公園である。背景の景色とマッチしたジャングルジムやブランコは余りにおあつらえ向きなので、映画のセットであるのは最初からミエミエだが、ベンチは本物である。ラストシーン近くの、最後に二人が訪れ、キスをする公園の風景は、やや高めのアングルからも撮られており、すぐ下に逗子マリーナの一角も見える。

 
:映画ではここにジャングルジムとブランコが設定される。 
:逗子マリーナ。 右:江ノ島



5Wの有用性

大崎公園への入り口へは、アメリカ西海岸、海岸沿いの丘陵の高級住宅街をほうふつとさせるような邸宅街を抜けていく。どれも個性豊かなデザインの大邸宅で、玄関先に並べられた3台の自家用車のうち、一台がさりげなくポルシェだったりする。(この、「さりげなく」、という所がポイントだ(笑 ) 逗子・葉山といえば、太陽族と言わず、それ以前からの憧れの地だ。誰しも海の見える高台には住んでみたいものだが、当局のような「無銭家」には無縁の世界である(笑。

10時少し前、一番見晴らしの良いベンチに陣取って、707をセットアップ、QRVを開始する。快晴・無風・そして気温が高めという、真冬にしては三拍子そろった運用日和だ。ただ、水蒸気が上がっているのか、視程はどこまでもスッキリとはいかずに、残念ながら富士山の姿は見えない。チャンネル内をざっと見回してみると、5Chでいつものようにグアムあたりの英語局が元気良く入感してくる。今日は米国では一大イベントであるスーパーボウル(アメリカンフットボール)の話題で盛り上がっている。3Chは比較的静かだが、8Chは無変調風の継続的な信号がS3位振っており、どうやら使い物にはなりそうもない。

2~3回CQを繰り返すと、超強力な信号が返ってくる!!??707のメータは振り切らんばかりで、あきらかにこれはすぐ近くにおられる信号音だ(笑。カナガワFJ251局で、どうやら公園の下側(中腹)のベンチでやられているようだ。そういえば登ってくる途中に、アンテナを伸ばした怪しい人物(笑がいて、アマチュア局だと思っていたのだが、CBerだったようである。FJ251局によると朝方Esが開けていたようで、Es狙いでちょこっと運用に来られたようである。Es狙いをお邪魔してはまずいので、お互い離れた所から運用を継続することにする。


 
 


11mは3、5、6Chをメインにワッチ&CQを継続するが、なにせこの高さ、入感局もない。しかも土曜日の朝、運用局はもとより少ないので、早々にデジ簡も投入してみる(笑。デジ簡の方はCQを出してみると、すぐに応答がある。ちばCH47局だ。なんと甲武信ヶ岳(山頂は2,475m、山梨・長野・埼玉県境)に登山中とのことで、雪道の中を頂上を目指して歩いているという。まだ樹林帯の中なので景色はなく、「よくこんな所から電波が飛んでいるもんだ」とご本人が言われるような所から出られているらしい。「頂上にはいつ着くかわからないが、11mでもよろしく」、とQSOを終えるが、こちらは標高76mからウインドサーフィンが海原にたくさん漂うのを見ながらの運用で、一面雪の山の世界の雰囲気とは別世界だ。DCRはそんな二つの空間をいとも簡単に結び付けてくれる。

DCRでは、横浜市港南区のヨコハマKZ123局の信号も入感してくる。さえずりの丘公園移動とのことで、高さはどれくらいかわからないが、おそらく高さが無い者同士の交信だ。やはりそういう場合は5W運用というのは重宝する。回線上にたくさん障害物があるような交信ではやはり出力がものを言う。試してはいないがおそらく1Wでは交信は無理だろう。後から同じく横浜市泉区固定のヨコハマAB550局や保土ヶ谷区固定のヨコハマFUR98局ともQSOできているが、すべて5W送信で、高さがないもの同士ではあらためて5Wの有用性を感じる。

11時を過ぎると、湘南平(平塚市)から、かながわCG61局のCQが飛んでくる。湘南平は比較的標高があり(それでも180mほどだが)、間には障害物はほとんど無いので、RSは57と強力だ。CG61局は玩トラである学研のGT-06も運用されており、こちらのRSは56である。500mWの本物?CB機とのSの違いは1つだけ(笑。飛び方としては見事だ。ただし、さすがに変調が浅く歪感も若干多いような聞こえ方で明瞭度は相対的に落ちる。やはりスピーカー変調なのでインピーダンス整合等がコストをかけないためにぎりぎりの設計になっているのかもしれない。もっとも、すべて500mW機との相対的な比較の話で、実用的には全く問題はなく、玩トラとしてはむしろお見事というべきである。昨年12月に当局もGT-06の試験をしているが、今度は聞く側に回ってみて、変調のかかり方を良く確認することができた。


まったりとした時間

快晴・無風・高めの気温・・・ダウンを脱ぎ捨て、ベンチに座って正面に江ノ島を含んだ青い海と空、足元に若干?異国情緒の漂う逗子マリーナの景色をのんびり眺めていると、それだけでまったりするには完全に十二分である。真冬に、これほど気持ちよくさせてくれるこれ以上のお膳立てが他にあるだろうか?ゆるい日差しの中くつろいでいると、伊豆半島、日金山から、しずおかCA18局のDCRが飛んでくる。CA18局とのQSOは超~久しぶりだ。お互い余りの懐かしさに、「何年振りでしょうねぇ・・・???」と、久々に旧友に出会ったようだ。そんなQSOが気分をいっそうまったりとさせてくれる。

電車オタクでもある浩介は、真緒とのデートで江ノ島に向かう江ノ電の中、VVVFインバータ制御の薀蓄(うんちく)を語り始めようとするが、「江ノ島が見えてきた!」と叫ぶ真緒に遮られる。(浩介は駅の看板や広告、電車の中吊りなど、鉄道関係の広告代理店の営業であり、真緒はそのクライアントである。)CB運用後はこのまま江ノ電で江ノ島に行っても良いのだが、そこは例年通り、報国寺&石窯ガーデンテラスである。果たして報国寺のお花は・・・?

抹茶を頂くより先に、入門早々、さっそくいつもの石仏に御挨拶に行ってみると、今年は竹庭の周回路(といってもわずかな距離)が一部整理され、一角に石仏専用のスペースが新しく出来上がっている。これまで周回路の脇にそっと佇んでいたいつもの石仏もそこに移されている。7~8体の石仏がそこに一同に集められ(KMK8?)、例の石仏は「センター」ならぬ一番左端にご鎮座されていた。これまで来訪者はこれらの石仏にはほとんど気を留めることはなかったので、新たにメジャーデビューしたような形だが、この方がよいのかもしれない。肝心のお花は?・・・今年も期待に全く違わず、水仙の花が供えられていた。誰に何と言ったらよいのかよくわからないが、流石である(笑。

報国寺での抹茶の後は、浄妙寺の上にある、石窯ガーデンテラスである。今年もケーキセットで一日を締めくくる。今日は、金柑のパンナコッタとカフェ・オレだ。この絶妙な味わいには、毎日ここに通ってきたいと思いたくなるほどだ。おみやげにはスコーンを買って帰ろう。

さて、来年の今頃はどこでどうしているか?


各局thanks!

                                   ('14/02)

 
 

運用データ

石窯ガーデンテラス
■運用日時・運用場所:
 
 2014年2月1日(土) 9:50~13:05
    
 神奈川県逗子市大崎公園(標高76m)
  

■使用&装備リグ:
  CB: ICB-707(SONY)
  DCR351(デジタル簡易無線):
      IC-DPR5 (ICOM)+1/4λホイップ (第一電波)

■使用電源(予備含む)
  ・Li-ion: 7.4V/6.2Ah×1(DCR)、11.1V/2.6Ah×1 (707)


QSO局 12QSO TNX!!  
(敬称略)

2月1日(土)   
カナガワFJ251/神奈川県逗子市大崎公園 59+/59+ ちばCH47/甲武信ヶ岳登山中(DCR) M5/M5
かながわCG61/神奈川県平塚市湘南平 57/57 かながわCG61/神奈川県平塚市湘南平(GT-06) 57/M5
ヨコハマKZ123/横浜市港南区さえずりの丘公園(DCR) M5/M5 しずおかCA18/静岡県日金山(DCR) M5/M5
ヨコハマDR302/静岡県駿東郡小山町 足柄SA(DCR) M5/M5 ヨコハマAA815/横浜市港南区さえずりの丘公園 55/55
よこはまUQ3/神奈川県横須賀市 53/51 サガミFJ1300/神奈川県相模原市城山湖 51/51
ヨコハマAB550/神奈川県横浜市泉区(DCR) M5/M5  ヨコハマFUR98/横浜市保土ヶ谷区(DCR)  M5/M5 
DCR:デジタル簡易無線 



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