[5時前セッティングは完了。車の左前はデジ簡アンテナ。]



SV本番

朝、3時半に目を覚ますと、空はもう白み始め、あたりは明かりが全くなくても行動できるほど明るくなってくる。さすがは?北海道だ(笑。心配していた雨も落ちていない、風も昨日ほど強くないようだ。

しかし、運用場所に到着して30分もしないうちに、「今日は、天気はいけそうだ」という朝起きた時のぬか喜びは、木っ端みじんに打ち砕かれることになる。もともと移動前の予想天気図から雨になるだろうことは予測していたが、装備してきたリグ用の防雨パックだとか、レインウェアなど全く話にならないほどの暴風雨になる。

出だしは何事もなくスタート
するが・・・

運用場所は奥尻で3番目くらいに標高が高い、球島山(=たましまやま、標高約370m)の東斜面だ。標高は310m程である。昨日は、移動運用前に地形図や航空写真であらかじめ事前に目星をつけてきた運用候補場所を実際にチェックしながらやってきたのだが、なかなかベストフィットする場所がない。結果的に球島山近辺にQRVすることとしたが、ここらあたりも内地向けにデジ簡をやるにはベストと言える場所ではない。磁方位200°の本州方向には奥尻最高峰の神威山(標高584m)があり邪魔になるからだ。(神威山は自衛隊が占有しており立ち入り不可である。)しかし島のほぼ全体が深い森林におおわれており、林道もいくつかチェックしてみたが、他にQRV適地はなさそうだった。ここを選んだ理由はもう一つ、背面方向も開けているため、アンテナを180°回せば、利尻島で運用されるはずのいたばしAB303局さんとつながる可能性があるからだ。

風もあまり強くはない。5時少し前、アンテナ設置完了、ウォッチを開始する・・・・とまあ、そこまでは良かったが、15分もしないうちに、大粒の雨がどさりと落ち始める。デジ簡と707を抱えて慌てて車に逃げ込む。見る見るうちに車の外は嵐の中へと変貌する・・・(笑。こんなんありか?どうせならアンテナ設置する前に暴風雨になってくれよ・・・と、この先の絶望感が、訳のわからない考えを生じさせる(笑。

雨とともに吹き荒れる風に、さながらアンテナ(セッティング)の耐久試験状態だ。びしょ濡れになりながら、アンテナ角度だけは風になびくようフリーにしてやる。10秒でずぶぬれになるし、すぐに止むかも?という期待のかけらもありアンテナは片づけることはせずにこのままだ。雨になることは事前に予想していたが、ここまで暴風雨になろうとは・・・。ラジオの天気予報を聴いていると、「雷を伴った激しい雨」、や「強い風」といった言葉が乱立している。軒並み北海道各地に警報が出されている。今朝起きたときはまだ低気圧の目の中にいたのだろうか?

暴風雨の中、車の中でじっとしていること6時間(爆。当然車も風で揺さぶられ続けている。フリーになったアンテナの角度を観察していると、平均的な角度はどんどん変わり、今は朝方より150°位変化している。明らかに低気圧が通り過ぎている証拠だ。もともと雨になっても12時頃には止むだろうという予測だったので、ここでとうとうデジ簡運用はあきらめ11mに専心することにし、山を下りることにする。読みが正しければ、昼過ぎには雨が上がるはずなので、そのころには11m運用に最も適した海岸沿いに移動できているはずだ。

 
左:さながらアンテナの環境試験状態
中:6時半頃、かりそめに雲の切れ間が覗き、一瞬だけ期待をもたせるが・・・
右:草木が水平になるほどの暴風雨状態が6時間以上続く
 


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(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


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