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[船は、慶良間諸島をかすめるように通過していく。右端に580D。]



マリタイムモービル

まずは、那覇港泊ふ頭⇒渡名喜島へのMM運用だ。ふ頭には4年前の南大東島運用時に見た、貨客船「だいとう」も停泊している。8:30定刻通り泊ターミナルを出航、港を出るとぐんぐんとスピードを上げていく。船は予想以上に速いスピード感だ。それでも渡名喜島まで2時間以上かかる。乗船客のみなさんは客室内でワールドカップの日本対ギリシャ戦に釘付けになっているが、当局は船内に荷物を置いただけでほぼ100%近い時間を甲板上で過ごすことになる(笑。

今年の装備リグ(CB)は、RJ-580D、ICB-707、ICB-87R(新技適)の3台。580Dを稼動させるのは1年半ぶり以上、全くノーチェックで出てきたが大丈夫か?長~い、ほぼ2mのアンテナを甲板上のベンチに展開する。

所々に雲は出ているがほぼ快晴。甲板上を吹き抜けていく風が、心地よい。昨日那覇に降り立った時から、異様に蒸し蒸しと感じていたのだが、そんなものは完璧に吹き飛ばしてくれる。580Dは一応普通に稼動しているようで、ノイズ感も程よく上がっていて、午前中にピークが一山来そうな気配だ。動いている船からは、甲板上でも、エンジンや電子機器類からの人工ノイズはほとんど全く聞かれない。これは予想通りで、QSO上は甲板運用でも全く問題はない。(港に停泊中は別)時々CQを出しながら渡名喜島に向けて海原の滑走を続ける。

早くも9時過ぎにはQSBにゆれながら、カナガワクエスチョン局が入感してくる。まだか細い信号で呼ぶには早いが、いよいよ一山来るか・・・?しかししばらくノー感だ。上がりそうで上がらないのか?と言うより、ウイークデーの朝なので、運用局が少ないのに違いない。

やがてフクオカ局を呼ぶしずおかDD23局のQSOが入り始める。これならいけそうだ。しばらく呼び出しを続けると、やがてDD23局からのレスポンスが返ってくる。RS53/53。  MM運用一発目だ。今年もしずおかDD23局は、当局の沖縄運用に合わせて丸3日間、スタンバイしてくれているのだ。

鯨も見られる?

しかし、ウイークデーの午前とあって、ノイズ感が良さげの割には、やはり聞こえてくる局がない。基本的に手持ち無沙汰だ。と、突然誰かが話しかけてくる。
「2mの運用ですか?」
「????」 アンテナは2mだが、運用しているのは11mだ(爆。話しかけてきたのは、どうも船の関係者らしい。以前無線をやられていたようである。
「この辺の海はねぇ、いいですよ。もう少し時期が早いとねー、鯨が良く見られるんですよ。」
「早いって、5月頃ですか?」
「3~4月頃かなー。鯨がね、出産・子育てにくるんですよ。」
他に会話もQSOもなくても、海の群青色は思う存分堪能できる。船は座間味の島々を掠めるように通過していく。

別に暇つぶしのつもりではないが、「そうだ」と思いつき、DD23局をコールサインで直接呼び出してみると、なんと一発で応答がある(笑。Esでしばしローカル並みのQSOを楽しむ。デッキでは時々人がやってきては思い思いに流れていく風景を楽しんでいた。

 
右:渡名喜島が見てきた。午後から運用する大本田展望台も見える。    



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(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


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