2014運用記
子の権現
埼玉県飯能市



[子の権現(天龍寺)]



足腰守護

祈願と一緒にわらじや、スポーツ
シューズも・・・

壁一面にミニチュアのわらじがぶら下げられている。「左足治りますよう」、といった祈願文や、完治のお礼の文を添えて。ミニチュアのわらじもあれば、境内には数メートル以上の、超特大の黄金色のわらじもある。

子の権現(ねのごんげん)は、埼玉県飯能市にある911年創建の天龍寺の通称だ。平安時代からの古刹ということになるが、天龍寺はその縁起から、足腰守護の神仏として信仰されてきた。わらじが祈願文と一緒に添えられているのはそのためだ。当局も昨年来足腰を痛めていたので、昨年から来ようと思っていたのだが、ようやく実現した感じか?もっとも、今日も祈願というより、無線運用がメインである。子の権現は、秩父の山間のハイキングコース銀座?、西武秩父線沿いにある。標高は約630mで、今年4月の日和田山の運用記でも記しているように、ここも小学校などの遠足などでよく使われる場所だ。

子の権現へは車でも登れるが、今日も電車移動(笑。西武秩父線西吾野駅から歩いて登り、運用を終えた後は吾野側(秩父線側)とは反対の名栗渓谷側に下り、バスで飯能駅に戻るという寸法だ。名栗側に下りる理由はただ一つ、名栗にある手作りケーキ工房「綵珠」(あず)に立ち寄ってケーキセットをいただくためである(爆。名栗と言えば、CB界では有名な有間山への登り口(分岐点)で、おおよそ都会とはかけ離れたこんな片田舎(と言っては失礼だが)にケーキ工房があるというのは驚きである。

西吾野駅からは標高差400mほど、1時間もかからずに到着だ。午前10:20分、山門手前の文学碑のある小高い丘からQRVを開始する。・・・それにしても、今日は快晴だ。文字通り雲一つない。すすきの白い穂と、色づき始めた木々の葉、そして背景の空の青さがより一層秋のさわやかさを明瞭に届けてくれる。絶好の無線日和である。


つながりにくさの醍醐味?


スイッチオン、3Chの日立CH-1033Rからは、海外ノイズがガーとかピーとか、騒々しく再生されてくる。もう夏もとうに終わったというのに、電波のお空の具合は、相変わらず夏空が続いているようで、一向に衰えていない。CH-1033Rの再生音は、どちらかというとガラガラ音なので、余計そう感じるのかもしれない。

本日のメインテーマは、100mW機の比較運用だ。といってもそんな大げさなものではなく、普段眠っている100mW 機を久々に稼働させてあげようというのが目的である。持ち込んだリグは、CH-1033R(日立)、T-1(ナショナル)、GT-06(学研)である。3台ともすべて3Ch(27.040MHz)仕様で、比較運用が可能だ。そして、100mW機の他には、非常時の連絡用(笑)に500mWの87Rである。(プラス、デジ簡)

さわやかな秋の日差しの下、100mW機でとっかえひっかえ、CQを繰り出してみる。ん~、反応なしだ。運用局は全く聞こえてこない。今日は100mWメインなので少しでもQSO確率を高めようと、1時間以上前に11mリアル板に書き込みをしておいたのだが、そんな策略も効果なしか?(笑。3台とも聞こえてくるのは海外ノイズばかりである。100mW戦線異状なしか・・・(異常あり?)聞こえ方はどれかが優れているとか、劣っているとかの違いは全くなく、3台とも同じような感度・聞こえ方だ。しかし受信が続くばかりでは「稼働」しただけで、比較運用の意味は半減だ。しかも受信も運用局が聞こえてこなければほとんど意味がない。

まあそれでもいいかぁと、『決して87Rに頼っちゃぁ~いけない』と、自分に言い聞かせながら、秋の抜けるような青空を満喫してみる。・・・でも、やはリ少し寂しいので、一応約束を守って「デジ簡」から声を発してみる(笑。さすがにこちらは一発で応答がある。まあ、1エリア、休みの日にデジ簡でCQを出して一発でつながらないほうがむしろ珍しいので、当たり前なのだが・・・。

応答いただいたのは神奈川県城山湖移動のサガミFJ1300局だ。城山湖といえばいつもたくさんの局が集まる運用ロケだが、今日はまだお一人での運用らしい。続いてとうきょうHM61局からコールを頂く。こちらは入間市桜山展望台と距離も近いのでアンテナ3本フルスケでの入感だ。HM61局によると、当局のCB3ChでのCQは入感していたようだが、まだ準備が完了していていなかったのでタイミングが合わなかったようだ。

デジ簡は簡単につながるので、再び、「つながりにくい」CB100mWへ逆戻りだ。一度つながってしまうと、再び「つながりにくさ」の醍醐味(笑)にもどりたくなるから、全く人というのはいい加減なものだ。(いや、当局だけか?)しかし今度はHM61局ともすぐにCBでつながる。RS54(耳S)/51。使用リグはT-1だが、こちらの信号が51というのは距離の割には弱い感じだ。しかしこのT-1は製造から50数年、ノーメンテでこの性能を維持しているのだから全く立派なものである。ファイナル時にCH-1033Rに切り替えて送信してみるが、HM61局側での入感は変わらなかったので、T-1は全く問題なく動作しているようである。

引き続きT-1でCQを繰り出してみる。所沢市ぶどう峠からはトウキョウAB625局からコールをいただく。こちらはRS51(耳S)/55だ。今度は相対的にこちらの入感がかなり弱い。同じく飯能市内のサイタマUR2局からもコールをいただく。こちらはさすがに近いだけあって57/57と強力だ。ただ、T-1はスピーカー変調であるが故、若干明瞭度が落ちるようではある。これは設計上致し方ないところである。



通じない!?


神奈川県鎌倉市の六国見山(ろっこくけんざん)には、ヨコハマAA815局が移動されているようで、か細いながらCQが入り始める。3台並べて聞いてみるが、どれもRS41~51程度、やはり3台とも同じような再生感度だ。ただ学研のGT-06が玩トラであることを考えれば、これは優れていると言ったほうがよいのかもしれない。秋オンでも北アルプスの乗鞍から三重県の御在所まで、問題なくQSOできている。・・・ということで、まずはGT-06でコールに入ってみる。「・・・QRZ」、「コールを長めにお願いします・・・」・・・んんん、通じない!(笑。何か信号を感じているようではある。しからば、とCH-1033Rに切り替えてコールしてみる。さらに狭い丘の上をあちこちべスポジを探ってみるが、通じない!!(笑。それでは、と今度はT-1でコールをたたみかけてみるが、通じない!!!(爆。「QRZ・・・」、「コールを長めに・・・」の連続だ。これ以上呼ぶと、迷惑がかかるので、ここで初めて「非常時連絡用」の87Rの出番だ。果たして、87RでもRS52/55(後54/55)で、結果的にそれほど強い伝搬経路でないことは確認。

AA815局に事情を説明すると、「それでは、一台ずつ実験してみましょう」という、有難い申し出を頂き、実験してみることに。(TNX!!AA815局)順番は先ほどと同じだ。一台ずつ送信後、87Rに戻ってレポートを確認してみる。GT-06・・・「全く聞こえません」(笑、CH-1033R・・・「全く聞こえません」、T-1・・・RS31だ。T-1では、AA815局がRS31を返しているのがT-1上でも聞こえてくる。・・・・ん~、六国見山では当局も運用したことがあり、どんな場所かはわかっている。展望デッキは標高130mほど、特に北側方向(=当局方向)は木々に遮られ、ロケとしてはもちろん、グランドウェーブで距離を稼ぐような場所ではない。AA815局にはお手数をおかけしたが、まあ、ロケの能力を考えると、こんなところだろうか。(再びTNX!!AA815局)


2Way玩トラQSO


一方、神奈川県伊勢原市の大山山頂からは、玩トラ愛好家である、かながわCG61局が同じくGT-06で運用されている。たまたまの偶然だが、このチャンスを逃す手はない。実は先ほど聞こえていたのだが、この時はタイミングが合わなかった。今度はこちらからもGT-06でお声掛けだ。当局からの波も無事届いているようで、CG61局からも心地よくレスポンスが返ってくる。お互いGT-06同志のQSO、M5/M5で交信成立である。耳Sでは53~54といったところか。別に距離がそんなにあるわけではないが、学研がこのGT-06を子供用?に開発・販売した当初、誰がこんな使い方を想像していただろうか。ここが玩トラを使うことの楽しさでもある。CG61局は当局とのQSO後も、ヨコハマJA298局、サガミFJ1300局と、玩トラ同士で立て続けに交信されており、「いやー、3局続けて玩トラ同士のQSOですよ~」という、CG61局の嬉々として弾んだ声が、当局のGT-06からも漏れていた。


またしてもケーキセットか?

「またしてもケーキセットか?」と書いたのは、4月の日和田山運用記だ。今回も同じセリフだ。ということは今年3回目か?(笑。運用後は、山を南側へ下り、名栗集落をめざす。名栗川にほど近いところに、手作りケーキ工房「綵珠」(あず)がある。入り口の庭先から西洋ガーデン風の瀟洒な雰囲気が漂う。庭を通り抜け、木製の階段を上がっていくと、ガラスケースのケーキが視界に入ってくる。やはり?ケーキ屋さんだ。

酸味が効いたコーヒーが、チーズケーキにマッチする。落ち着いた店内には時間がゆったりと流れる。一日のCB運用を振り返るには格好の場所である。おみやげにはアップルパイとクッキーを買って帰ろう。各局TNX!!

                                               ('14/10)

左:手作りケーキ工房「綵珠」。有馬山で運用の際に、立ち寄ってみるのもよいかもしれない。
中:チーズケーキセット。今日はめはり寿司も食してみる。めはり寿司は、ハイキングのお供などにテイクアウトも可能。
右:テラス席でくつろぐのも、good???




運用データ
■運用日時・運用場所:
 
 2014年10月18日(土) 10:20~12:50
    
 埼玉県飯能市子の権現
  
■使用&装備リグ:
  CB: T-1(National)、CH-1033R(日立)、GT-06(学研)、ICB-87R(SONY)
  DCR: IC-DPR5(ICOM)+1/4λホイップ
  
■使用電源
  ・乾電池、リチウムイオン電池

左写真: 谷を挟んで向こう側には顔振峠が見える


QSO局
8QSO TNX!!  
(敬称略)

10月18日(土)   
サガミFJ1300/神奈川県相模原市城山湖(DCR) M5/M5 とうきょうHM61/埼玉県入間市桜山展望台(DCR) M5/M5
とうきょうHM61/埼玉県入間市桜山展望台(T-1) 54/51 トウキョウAB625/埼玉県所沢市ぶどう峠(T-1) 51/55
さいたまUR2/埼玉県飯能市(T-1) 57/57 ヨコハマAA815/神奈川県鎌倉市六国見山(87R) 54/55
かながわCG61/神奈川県伊勢原市大山山頂(87R) 58/M5 かながわCG61/神奈川県伊勢原市大山山頂(GT-06) M5/M5



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