2010沖縄

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7月3日(土)午前の部:北港

海軍棒にしようか、北港にしようか一瞬悩むが、今日も北港でQRVを試みることにする。車を走らせていくと、今日も快晴の日差しの中、「サトウキビ畑の北海道的光景」(笑)が広がっていた。

今日は最初から岸壁に移動し、7:00ちょうどにQRVを開始する。5Chでは違法が早くもかすれて入感している。空は晴れ渡って日差しが強いが、埠頭を渡る風が適度にあって実に心地よい。8チャンネルは、ピュルルンノイズもなく、ノイズレベルは極めて僅少、一瞬コンディションがよいのかどうなのか分からないが、ほんの時々ざわめきのようなものを感じる。普段都会では都市の人口ノイズの中で運用しているので、こうして高ダイナミックレンジの中で運用できるのは気持ちのよいことこの上ない。岸壁には電気もきていないので、おそらく半径数キロはなにも電波を発するものはないはずだ。(500mくらい遠くにあるNTTの中継アンテナを除き)

内地からは信号らしきものは何も入感してこないが、ダメもとでCQを出していると、立川市移動のとうきょうMS25局にピックアップいただく。やはりコンディションは悪くはないようだ。

土曜日とあって、岸壁には地元の方が何人か繰り出して、釣竿を海に投げている。CQの合間にさっきから見ていると、赤シャツのお兄さんが、2~3分おきに、20cmくらいの魚を釣り上げている。昨日から釣り人をいろいろ見ているが、腕が違うのか、この赤シャツのお兄さんほどうまい人はいなかった。

文字通り埠頭の岸壁は釣竿を差し出す絶好の場所である。当局は時々、ルーフの707を岸壁の鉄製のアンカーに移してワッチしていた。やがて黄シャツを着た赤銅色の漁師の典型のような、無口そうなおじさんが、歩み寄ってくると、ためらいがちに声を掛けてくる。そう、当局は黒い帽子にサングラス、両耳から後ろの後頭部には旧日本陸軍の帽子よろしく、日焼け止めの日除けを掛けていた。実に怪しい。





おじさんはもとより、言葉少なげだ。

「これ、無線機?」
怪しすぎるので、少しでも話しかけやすいように、サングラスをはずす。
「えーそうです。おもちゃみたいなやつですが。」
「…島の全部くらいだったら届くかね?」
「この島くらいだったらいけると思いますよ。」

「幾ら位すんの?」
「あー、これ、もう売ってないんですよ。全部メーカーが製造をやめちゃって。」
おじさんは少しさびしそうな顔をして、
「漁船に無線機積んでんだ。1ワットの。」
「はーそうですか。これ(=707)でも海上だったら、50Kmは楽にいけますよ。」

この漁師さんは、あの釣りがうまい赤シャツのお兄さんの知り合いらしかった。
「さっきから、たくさん釣れてますが、何が釣れるんですか?」
「ムロアジ。アジを釣って、ばら撒いて、それでマグロを釣るのさ。」
「マグロが岸壁から釣れるんですか?」
「カジキだって、釣れることあるよ。」
岸壁からマグロが釣れるのか。釣りは全く分からない当局には、驚きだった。


岸壁から下を覗く
水の色がなんとも言えない。





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(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


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